決算変更届の作成方法と注意点|鹿児島県の建設業許可業者が知っておきたい手続き

2026年8月3日 最終更新:2026年9月21日

はじめに

建設業許可を取得すると、「これで手続きは終わり」と考えてしまう方もいるかもしれません。

しかし、建設業許可は取得後も継続して届出を行う必要があります。

その代表的な手続きが、毎事業年度終了後に提出する**「決算変更届」**です。

決算変更届は、税務署へ提出する法人税の申告書や決算書とは別の手続きです。

工事経歴書や工事施工金額、建設業法に基づく財務諸表などを作成し、許可行政庁へ提出します。

また、決算変更届は、将来の**建設業許可の更新や経営事項審査(経審)**にも関係する重要な手続きです。

鹿児島県では、建設業許可を受けている事業者は、毎事業年度終了後4か月以内に決算等の変更届を提出することとされています。

この記事では、鹿児島県の建設業許可業者を対象に、

  • 決算変更届とは何か
  • いつまでに提出するのか
  • どのような書類が必要なのか
  • 工事経歴書や財務諸表はどう作成するのか
  • 提出しないとどうなるのか
  • 税理士に決算を依頼している場合はどうすればよいのか
  • 行政書士に依頼するメリットは何か

について分かりやすく解説します。


1.決算変更届とは?何のために提出するの?

決算変更届とは、建設業許可を受けている事業者が、毎事業年度終了後に、その年度の工事実績や財務内容などを許可行政庁へ報告する手続きです。

建設業法第11条第2項に基づく届出で、毎事業年度終了後4か月以内に提出する必要があります。

実務では「決算変更届」「決算報告」などと呼ばれることがあります。

鹿児島県の資料では「決算変更届」や「決算等の変更届」と表記され、提出書類には「決算変更届出書(表紙)」が使用されています。

税務署への決算申告とは別の手続きです

ここは特に注意が必要です。

税理士に会社の決算や税務申告を依頼していても、建設業の決算変更届が自動的に提出されるとは限りません。

税務署への税務申告と、建設業許可行政庁への決算変更届は、それぞれ別の手続きとして考える必要があります。


2.決算変更届はいつまでに提出する?

決算変更届は、原則として事業年度終了後4か月以内に提出します。

例えば、

決算日提出期限
3月31日7月31日
6月30日10月31日
9月30日翌年1月31日
12月31日翌年4月30日

となります。

鹿児島県も、建設業許可を受けている全ての業者について、毎事業年度終了後4か月以内に決算等の変更届を提出するよう案内しています。

期限を過ぎても放置しないことが重要

決算変更届は毎年提出する義務があります。

提出しないまま数年経過すると、後から過去の決算内容を整理して提出しなければならなくなる場合があります。

特に、

  • 建設業許可の更新
  • 業種追加
  • 経営事項審査
  • 入札参加資格申請

などを予定している会社は、過去の決算変更届がきちんと提出されているか確認しておくことが大切です。


3.鹿児島県の決算変更届はどこに提出する?

鹿児島県知事許可の場合は、鹿児島県の建設業許可に関する窓口へ提出します。

鹿児島県は現在、建設業許可関係の申請書・届出書について、土木部監理課建設業許可係を案内しています。最新の受付窓口や提出方法については、提出時点の県の案内を確認してください。

また、決算変更届の点検表も鹿児島県が公開しており、許可番号、商号、決算期、工事経歴書、工事施工金額、財務諸表などについて確認する仕組みになっています。

そのため、提出前には最新の鹿児島県の様式・点検表を確認しておくことが重要です。


4.決算変更届には何が必要?

鹿児島県の資料では、決算変更届について、主に次のような書類が必要とされています。

主な提出書類

  • 決算変更届出書(表紙)
  • 工事経歴書
  • 直前3年の各事業年度における工事施工金額
  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 株主資本等変動計算書
  • 注記表
  • 事業報告書
  • 附属明細表(該当する場合)
  • 納税に関する証明書
  • 使用人数
  • 令第3条に規定する使用人の一覧表
  • その他、該当する変更事項に関する書類

なお、会社の形態や許可区分、変更事項の有無などによって必要書類は異なります。

特に鹿児島県知事許可の場合、事業税納付済額証明書が決算変更届の関係書類として案内されています。


5.工事経歴書は何を書く?

決算変更届の中でも、特に注意したい書類が工事経歴書です。

工事経歴書では、完成した工事について、工事内容や請負金額などを整理して記載します。

単純に売上を一覧にするだけではありません。

実際にどのような工事を施工したのかを確認し、建設業許可の業種との関係を考えながら整理する必要があります。

例えば、

  • 土木一式工事
  • 建築一式工事
  • とび・土工・コンクリート工事
  • 電気工事
  • 管工事

など、実際の工事内容に応じて適切に整理します。

工事経歴書を作成するときは、契約書や工事台帳などの資料を確認しながら作成すると、記載ミスを防ぎやすくなります。


6.「直前3年の各事業年度における工事施工金額」とは?

「直前3年の各事業年度における工事施工金額」では、過去3年間の工事施工金額を整理します。

許可業種ごとの工事実績を整理するため、単純に会社全体の売上高だけを記載するものではありません。

また、

  • 元請工事
  • 下請工事
  • 公共工事
  • 民間工事

などについて整理することになります。

特に、経営事項審査を受ける会社にとって重要な資料です。

鹿児島県では、経営事項審査の手続きについて、決算変更届の受付後に経営事項審査へ進む流れが案内されています。


7.財務諸表は税理士の決算書をそのまま使える?

ここも非常に重要なポイントです。

税理士が作成した決算書を、そのまま決算変更届に使用できるとは限りません。

建設業許可の決算変更届では、建設業法に基づく財務諸表を作成する必要があります。

法人の場合、例えば、

  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 完成工事原価報告書
  • 株主資本等変動計算書
  • 注記表

などを作成します。

鹿児島県も法人用・個人用の建設業財務諸表の様式を公開しています。

税務会計と建設業会計の違いに注意

建設業者の場合、

会社の売上高=完成工事高

とは限りません。

例えば、建設工事のほかに物品販売などの兼業事業を行っている場合には、建設工事による売上と兼業事業による売上を区分して整理する必要があります。

そのため、税務申告用の決算書を確認しながら、建設業用の財務諸表へ適切に組み替えていきます。


8.決算変更届を作成するときの重要な注意点

注意点1.前年の決算変更届と比較する

前年に提出した決算変更届がある場合は、必ず確認しましょう。

例えば、

  • 完成工事高が大きく変わっている
  • 工事の種類が大きく変わっている
  • 使用人数が変わっている
  • 財務内容が大きく変化している

といった場合には、その原因を確認します。

鹿児島県の決算変更届点検表でも、許可番号や商号などの基本情報だけでなく、前回の届出内容との整合性を確認する項目が設けられています。


注意点2.建設工事と兼業事業を区分する

建設会社によっては、建設工事以外に、

  • 材料販売
  • 不動産
  • 物品販売
  • その他の事業

などを行っている場合があります。

この場合、建設工事による売上と兼業事業による売上を適切に区分する必要があります。

「会社の売上=完成工事高」と考えないことが重要です。


注意点3.工事内容と許可業種を確認する

工事経歴書を作成するときは、実際の工事内容と許可業種の関係を確認することが重要です。

契約書に記載された工事名だけで判断するのではなく、実際にどのような工事を施工したのかを確認しましょう。


注意点4.財務諸表の数字を確認する

決算変更届の財務諸表は、税務申告書の数字を単純にコピーするだけではありません。

勘定科目の振り分けや完成工事高、完成工事原価などを確認する必要があります。

税理士が作成した決算書や総勘定元帳などを確認しながら、建設業用の財務諸表を作成します。


注意点5.会社の変更事項も確認する

決算変更届を作成していると、

「代表者が変わっていた」

「役員が変更されていた」

「営業所の状況が変わっていた」

など、前年から会社の状況が変わっていることに気付く場合があります。

こうした変更については、決算変更届とは別に変更届が必要になる場合があります。

そのため、決算変更届を作成するときは、前年から会社情報に変更がないかも確認することが大切です。


9.決算変更届を提出しないとどうなる?

決算変更届は、単なる任意の報告ではありません。

建設業法第11条第2項に基づく法定の届出義務です。鹿児島県も、建設業許可を受けている全業者について毎年度の提出が必要であると案内しています。

また、必要な届出をしない場合には、建設業法上の罰則の対象となる場合があります。国土交通省の案内でも、許可後の必要な届出をしない場合には建設業法第50条による罰則があるとされています。

さらに、決算変更届が未提出の状態では、許可更新などの手続きに支障が生じる場合があります。

「忙しいから後で提出しよう」と放置するのではなく、期限を過ぎている場合は、できるだけ早く現在の提出状況を確認することが重要です。


10.決算変更届は税理士に任せているから大丈夫?

この疑問を持つ建設業者の方も少なくありません。

税理士は、会社の決算や税務申告を専門に扱います。

一方、決算変更届は、建設業許可に関する行政手続きです。

そのため、

「税理士に決算を依頼している」=「決算変更届も提出されている」

とは限りません。

税理士に決算を依頼している会社でも、決算変更届については別途確認しておきましょう。


11.決算変更届を行政書士に依頼するメリット

決算変更届は、自社で作成することもできます。

しかし、

  • 建設業の書類作成に慣れていない
  • 工事経歴書の作成方法が分からない
  • 財務諸表の組み替えが難しい
  • 毎年作成する時間がない
  • 過去の決算変更届の提出状況が分からない
  • 将来的に経営事項審査を受けたい

という場合は、行政書士へ相談する方法があります。

行政書士に相談することで、必要書類の確認や書類作成、提出手続きなどを進めやすくなります。

また、毎年の決算時期に合わせて手続きを管理することで、提出忘れの防止にもつながります。


12.経営事項審査を受ける会社は特に注意

公共工事の入札参加などを目的として経営事項審査を受ける会社は、決算変更届を後回しにしないことが重要です。

鹿児島県では、経営事項審査について、

決算変更届 → 経営状況分析 → 経営事項審査

という流れが案内されています。

また、経営状況分析についても、決算変更届の提出後、速やかに申請するよう鹿児島県が案内しています。

そのため、経審を予定している会社は、決算が終わってからすべての手続きを考えるのではなく、早めに準備しておくことが大切です。


13.決算変更届について行政書士に相談したい方へ

次のような場合は、行政書士への相談を検討してください。

  • 決算変更届を毎年提出しているか分からない
  • 過去の未提出分がある
  • 工事経歴書の作成方法が分からない
  • 税理士には決算を依頼しているが、決算変更届は依頼していない
  • 財務諸表を建設業用に組み替える方法が分からない
  • 経営事項審査を受ける予定がある
  • 決算後の手続きをまとめて整理したい

決算変更届は、毎年提出するからこそ、後回しにせず継続して管理することが重要です。

鹿児島県で建設業許可を取得している事業者の方で、決算変更届の作成や提出についてお困りの場合は、お気軽にご相談ください。


まとめ

決算変更届は、建設業許可を取得した後に毎年必要となる重要な届出です。

特に覚えておきたいポイントは次のとおりです。

  • 毎事業年度終了後4か月以内に提出する
  • 税務署への決算申告とは別の手続き
  • 工事経歴書を適切に作成する
  • 直前3年の工事施工金額を整理する
  • 財務諸表は建設業法に基づく様式で作成する
  • 鹿児島県知事許可では県の事業税納付済額証明書が必要
  • 前年の決算変更届と比較して確認する
  • 会社の変更事項がないかも確認する
  • 未提出の場合は罰則の対象となる場合がある
  • 許可更新や経営事項審査を見据えて早めに対応する

決算変更届は、単なる毎年の書類提出ではありません。

建設業許可を適切に維持し、将来の許可更新や経営事項審査につなげるための重要な手続きです。

鹿児島県の建設業許可業者で、決算変更届の作成や提出について分からないことがある場合は、行政書士への相談をご検討ください。

鹿児島県鹿児島市春山町の行政書士新川憲一事務所です。
「許可が必要なのか分からない」
「自分で申請するのは難しそう」
「必要書類について相談したい」
このようなお悩みでも、お気軽にご相談ください。

鹿児島市日置市及び近隣地域で、皆様の手続きを全力でサポート致します。


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