資格なしで建設業許可は取れる?実務経験で取得する方法を鹿児島の行政書士が解説
「建設業をしていますが、建築士や施工管理技士などの資格を持っていません。建設業許可は取れますか?」
「資格がないので、建設業許可は取れないですよね?」
このような疑問をお持ちの建設業者の方は少なくありません。
結論からいうと、資格がなくても建設業許可を取得できる可能性があります。
一般建設業許可では、営業所ごとに「営業所技術者等」を配置する必要があります。
しかし、営業所技術者等になるための方法は、国家資格を持っていることだけではありません。
一定の実務経験や学歴などによって、営業所技術者等の要件を満たせる場合があります。
そのため、
「資格がない=建設業許可を取得できない」
というわけではありません。
この記事では、鹿児島県で建設業許可を検討している建設業者の方に向けて、資格がない場合に確認したい実務経験の条件や、実務経験を証明するときの注意点について、行政書士がわかりやすく解説します。
1.資格がなくても建設業許可を取得できる理由
建設業許可を受けるためには、営業所ごとに、許可を受けようとする建設業について一定の資格または経験を有する営業所技術者等を配置する必要があります。
ここで重要なのは、
営業所技術者等=国家資格を持っている人だけではない
ということです。
例えば、次のようなケースがあります。
- 社長に国家資格はないが、長年建設業に従事している
- 社長の経験が足りないが、要件を満たす従業員がいる
- 国家資格はないものの、指定学科を卒業しており、一定の実務経験がある
このような場合には、営業所技術者等の要件を満たせる可能性があります。
したがって、資格がないからといって、最初から建設業許可を諦める必要はありません。
まずは、
「これまでどのような工事を、何年間経験してきたのか」
を整理することが大切です。
2.資格がない場合に重要となる「実務経験」
資格がない場合、営業所技術者等の要件を確認するうえで重要になるのが実務経験です。
原則は10年以上の実務経験
一般建設業の営業所技術者等については、許可を受けようとする建設業に関する10年以上の実務経験によって要件を満たせる場合があります。
ただし、全員が必ず10年必要というわけではありません。
指定学科を卒業している場合は短縮される
一定の指定学科を卒業している場合、必要な実務経験期間が短縮されます。
例えば、
- 大学・高等専門学校等の指定学科卒業:3年以上
- 高等学校等の指定学科卒業:5年以上
の実務経験が基本となります。
また、現在は技術検定の第一次検定合格者についても、一定の条件のもとで実務経験期間が短縮される制度があります。
そのため、
「資格がないから必ず10年間必要」
とは限りません。
学歴・技術検定の合格状況・実務経験・申請する建設業種をまとめて確認すること
が重要です。
3.「建設業で10年働いた」だけでは不十分
ここは特に注意したいポイントです。
「建設会社で10年以上働いていました」
というだけで、必ず営業所技術者等の要件を満たすとは限りません。
重要なのは、
どの建設業種について、どのような実務を経験してきたのか
という点です。
建設業許可には29の業種があります。
例えば、
- 建築工事
- 土木工事
- 電気工事
- 管工事
- 内装仕上工事
- 塗装工事
- 防水工事
- 解体工事
などです。
例えば、内装工事の実務経験が長くても、その経験だけで電気工事業の営業所技術者等になれるとは限りません。
鹿児島県のQ&Aでも、実務経験については工事の業種との関係が重要であり、附帯工事の経験を別業種の実務経験として扱えない場合や、同一期間の経験を複数業種に重複して計上できないことが示されています。
したがって、
「建設業を何年経験したか」だけでなく、「どの業種を何年経験したか」
を確認する必要があります。
4.実務経験は「取得したい許可業種」とセットで確認する
建設業許可を検討するときは、次の順番で整理すると分かりやすくなります。
STEP1 どの建設業種の許可を取得したいのか
まず、取得したい許可業種を決めます。
STEP2 誰が営業所技術者等になるのか
社長なのか、役員なのか、従業員なのかを検討します。
STEP3 その人に必要な資格・実務経験があるか
学歴や資格、実務経験の内容を確認します。
STEP4 実務経験を証明できるか
最後に、必要な資料がそろっているかを確認します。
つまり、
許可業種 → 技術者 → 資格・学歴・実務経験 → 証明資料
という順番で確認すると整理しやすくなります。
5.実務経験は「あること」と「証明できること」が別
資格がない場合に、もう一つ重要なのが、
実務経験を証明できるか
という問題です。
「10年間建設業をしていました」
という本人の説明だけで、実務経験が認められるわけではありません。
鹿児島県の建設業許可申請では、営業所技術者等について、資格者証の写しまたは実務経験証明書などの提出が必要とされています。
また、申請者の状況によっては、勤務状況や常勤性を確認するための資料も必要になります。
そのため、
「経験がある」+「その経験を証明できる」
という2つの視点から確認することが重要です。
6.実務経験を証明するために確認したい資料
実務経験を証明するための資料は、申請者の状況や経験の内容によって異なります。
例えば、
- 実務経験証明書
- 確定申告書の写し
- 雇用保険関係の資料
- 源泉徴収簿
- 出勤簿
- 工事に関する契約書・注文書・請求書など
- 卒業証書・卒業証明書
などについて確認する場合があります。
鹿児島県の申請書類でも、営業所技術者等について実務経験証明書、資格証明書、卒業証書・卒業証明書などが添付書類として示されています。
ただし、
「この書類があれば必ず10年分の実務経験が認められる」というものではありません。
実際にどの資料が必要になるかは、申請者の経歴や申請する業種などによって異なります。
7.社長に資格がなくても営業所技術者等になれる?
可能性があります。
例えば、
社長
- 国家資格なし
- 建設業の実務経験が長い
という場合です。
この場合、社長自身の、
- 実務経験
- 学歴
- 経験した工事
- 経験期間
- 実務経験を証明する資料
などを確認します。
要件を満たしていれば、社長自身が営業所技術者等になることも考えられます。
一方、
社長
- 資格なし
- 実務経験が不足
という場合でも、すぐに諦める必要はありません。
社内に要件を満たす従業員がいれば、その従業員を営業所技術者等として配置できる可能性があります。
ただし、営業所技術者等には営業所への専任や常勤性などの要件があります。
そのため、
「資格を持っている従業員がいるから大丈夫」
と単純に判断するのではなく、その人が実際に要件を満たすかを確認する必要があります。
8.資格がない従業員でも営業所技術者等になれる?
資格がない従業員でも、実務経験や学歴などの要件を満たせば、営業所技術者等になれる可能性があります。
例えば、
- 建設業の経験が長い
- 申請する業種について実務経験がある
- 指定学科を卒業している
- 実務経験を証明できる
といった場合です。
鹿児島県の建設業許可申請書類でも、営業所技術者等について、資格証明書だけでなく実務経験証明書による申請が想定されています。
そのため、資格証だけを見るのではなく、
社長・役員・従業員の資格、学歴、職歴を一度整理してみる
ことをおすすめします。
9.資格なし・経験ありでも建設業許可が決まるわけではない
ここも重要なポイントです。
「資格はないけれど、実務経験が10年以上ある」
という場合でも、それだけで建設業許可を取得できるわけではありません。
建設業許可には、営業所技術者等以外にも複数の要件があります。
鹿児島県は、建設業許可の要件として、
- 経営業務の管理責任者を設置できること
- 社会保険の届出を行っていること
- 営業所ごとに一定の資格・経験を有する技術者を専任で配置できること
- 誠実性があること
- 財産的基礎があること
- 欠格要件に該当しないこと
などを挙げています。
したがって、
営業所技術者等の要件は、建設業許可を取得するための一つの要件
と考えることが大切です。
10.実務経験が足りない場合はどうする?
もし、
「社長も従業員も必要な実務経験が足りない」
という場合には、状況に応じて今後の対応を検討することになります。
例えば、
- 必要な実務経験を積む
- 建設業許可の要件に対応する資格取得を目指す
- 要件を満たす人材を確保する
といった方法が考えられます。
ただし、資格については、
「資格を取れば、どの業種でも許可を取れる」
というわけではありません。
資格によって対応できる建設業種が異なるため、取得したい許可業種に対応する資格なのかを事前に確認することが大切です。
11.資格がない方が最初に確認したい5つのこと
建設業許可を検討している方は、まず次の5点を整理してみましょう。
① 取得したい建設業種
何の工事について許可を取得したいのか。
② 実務経験の年数
これまで何年間、建設業に従事してきたのか。
③ 経験した工事の内容
具体的にどのような工事をしてきたのか。
④ 学歴・資格
指定学科の卒業歴や、技術検定などの合格状況はどうなっているのか。
⑤ 実務経験を証明できる資料
過去の勤務先や工事実績を確認できる資料が残っているのか。
この5点を整理するだけでも、建設業許可を検討するための材料がかなり明確になります。
12.まとめ|資格がなくても建設業許可を諦める必要はありません
建設業許可は、
「資格がないから取得できない」
という単純な制度ではありません。
一般建設業では、営業所技術者等について、一定の資格だけでなく、一定の実務経験や学歴などによって要件を満たせる場合があります。
特に重要なのは、次のポイントです。
- 資格がなくても実務経験によって要件を満たせる場合がある
- 一般的な実務経験ルートでは10年以上が一つの基準になる
- 指定学科の学歴などによって必要な実務経験が短縮される場合がある
- 技術検定の合格状況によって実務経験要件が変わる場合がある
- 申請する建設業種と実務経験の内容が重要
- 実務経験は「あること」だけでなく「証明できること」が重要
- 社長だけでなく、要件を満たす従業員を営業所技術者等とする方法もある
- 営業所技術者等以外の建設業許可要件も確認する必要がある
「資格がないから無理だろう」と判断する前に、まずは、
誰が、どの工事を、何年間経験してきたのか
を整理してみてください。
そこから、建設業許可取得の可能性を確認していくことができます。
鹿児島県で建設業許可をお考えならご相談ください
「資格は持っていないけれど、これまでの実務経験で建設業許可を取得できるのか?」
「社長ではなく、従業員を営業所技術者等にできるのか?」
「昔の勤務先での経験を実務経験として証明できるのか?」
このような疑問をお持ちの方は、まず現在までの経歴や工事内容を整理してみてください。
新川憲一行政書士事務所では、鹿児島県内の建設業者の方を対象に、建設業許可に関するご相談を承っています。
資格の有無だけで判断するのではなく、
- これまでの実務経験
- 経験した工事の内容
- 学歴
- 保有資格
- 実務経験を証明する資料
などを確認しながら、建設業許可の要件を一つずつ整理します。
「資格がないけれど建設業許可を取りたい」
という方も、まずはお気軽にご相談ください。
鹿児島県鹿児島市春山町の行政書士新川憲一事務所です。
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