相続人が多いと大変?戸籍収集から遺産分割協議書作成まで解説
「親が亡くなったけれど、相続人が何人いるのかわからない」
「兄弟が多く、戸籍を集めるだけでも大変そう」
「相続人の一人が遠方に住んでいるけれど、どうすればいい?」
相続人が多い場合、相続手続きは少人数の場合と比べて複雑になりやすく、時間や手間もかかります。
特に重要なのが、相続人を正確に確定することです。
相続人を一人でも見落としたまま遺産分割協議を進めてしまうと、後から協議をやり直さなければならない可能性があります。
この記事では、相続人が多い場合に必要となる、戸籍収集から相続人調査、遺産分割協議、遺産分割協議書の作成までの流れを行政書士がわかりやすく解説します。
なぜ相続人が多いと手続きが大変なの?
相続人が多いと、単純に人数が増えるだけではありません。
相続人それぞれについて、
- 誰が相続人なのか確認する
- 戸籍を収集する
- 住所を確認する
- 遺産分割について連絡する
- 財産の分け方について合意してもらう
- 必要書類に署名・押印してもらう
などの作業が必要になります。
さらに、相続人の中に、
- 遠方に住んでいる
- 高齢である
- 連絡が取りにくい
- 海外に住んでいる
- 長期間連絡を取っていない
といった人がいると、手続きがさらに複雑になることがあります。
まずは相続人を確定する
相続手続きで最初に重要なのが、相続人の確定です。
「子どもが3人だから、相続人は3人」
と最初から決めつけてはいけません。
亡くなった方の家族関係によっては、前婚の子どもや認知した子どもなどが相続人になるケースがあります。
そのため、戸籍を確認して、法律上の相続人を確定させる必要があります。
戸籍はどこまで集める?
相続人を確定するためには、一般的に亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を収集します。
戸籍には、
- 戸籍謄本
- 除籍謄本
- 改製原戸籍
などがあります。
亡くなった方が何度も本籍地を変更している場合、複数の市区町村から戸籍を取り寄せなければならないことがあります。
そのため、
「戸籍を1通取れば終わり」
とは限りません。
戸籍を集めると何がわかる?
戸籍を確認することで、相続人を確定するための情報を確認できます。
例えば、
- 配偶者がいるか
- 子どもが何人いるか
- 前婚の子どもがいるか
- 認知した子どもがいるか
- 子どもが先に亡くなっているか
- 代襲相続が発生しているか
などです。
特に注意したいのが、**「自分たちが把握していなかった相続人が見つかるケース」**です。
そのため、相続人調査を自己判断だけで済ませず、戸籍を確認することが重要です。
相続人が多い場合は「相続関係説明図」が役立つ
相続人が多い場合には、戸籍の内容を整理して相続関係説明図を作成すると、相続関係がわかりやすくなります。
例えば、
亡くなった方
↓
配偶者
↓
長男・次男・長女
↓
それぞれの子ども
というように、家族関係を図にまとめます。
戸籍を何枚も見ながら確認するよりも、相続関係を整理しやすくなります。
また、相続手続きの際に戸籍関係を整理して提示する際にも役立ちます。
次に相続財産を調査する
相続人が確定したら、次に亡くなった方の財産を調査します。
例えば、
預貯金
- 普通預金
- 定期預金
- その他の預貯金
不動産
- 土地
- 建物
- 共有不動産
その他
- 自動車
- 株式などの有価証券
- その他の財産
などです。
また、借入金などのマイナスの財産についても確認する必要があります。
相続人が多い場合は財産調査も重要
相続人が多いと、
「財産は自宅だけだと思っていた」
「預金口座が複数あることを知らなかった」
ということもあります。
財産を把握しないまま遺産分割協議を行うと、後から新しい財産が見つかり、追加で協議が必要になる可能性があります。
そのため、できるだけ早い段階で相続財産を整理することが大切です。
遺産分割協議を行う
相続人と相続財産が確認できたら、遺産分割協議を行います。
遺産分割協議とは、相続人全員で、
「誰がどの財産を相続するのか」
を話し合うことです。
例えば、
- 自宅は長男
- 預貯金は妻
- 自動車は次男
というように、具体的な分け方を決めます。
相続人が多いと話し合いが難しくなることも
相続人が2人なら比較的話し合いやすくても、5人、6人、10人と人数が増えると、全員の意見をまとめることが難しくなる場合があります。
さらに、
「自宅を売却したい」
「自宅は長男が相続したい」
「預貯金を均等に分けたい」
など、希望が異なることもあります。
相続人全員が納得できるように話し合うことが大切です。
なお、相続人間で遺産の分け方について争いがある場合は、行政書士がその紛争を解決することはできません。
そのような場合は、弁護士への相談を検討する必要があります。
遺産分割協議書を作成する
遺産分割協議がまとまったら、遺産分割協議書を作成します。
遺産分割協議書には、
- 誰が
- どの財産を
- どのように取得するのか
を具体的に記載します。
相続人が多い場合には、誰がどの財産を取得するのかを特に明確に記載することが重要です。
相続人全員の署名・押印が必要になる
遺産分割協議書を作成した場合、一般的には、協議に参加した相続人全員が署名・押印します。
相続人が多い場合、
「全員から署名・押印をもらう」
という作業だけでも大きな負担になることがあります。
遠方に住んでいる相続人がいる場合などには、郵送などを利用して書類をやり取りすることもあります。
相続人が多い場合に特に注意したい5つのポイント
① 相続人を漏らさない
最も重要なのが相続人の確定です。
戸籍を十分に確認せずに手続きを進めないようにしましょう。
② 相続財産を漏らさない
預貯金、不動産、自動車、有価証券などを確認します。
借入金などのマイナスの財産についても調査が必要です。
③ 相続人全員と連絡を取る
遺産分割協議は、原則として相続人全員で行います。
連絡が取れない相続人がいる場合には、早めに対応を考える必要があります。
④ 財産の分け方を明確にする
「自宅は長男」
だけでは、対象となる不動産を特定できない場合があります。
不動産については登記事項証明書などを確認し、正確に記載することが重要です。
⑤ 他の相続人と争いになった場合は専門家へ相談する
相続人間で、
「この財産は自分が相続するべきだ」
「遺産の分け方に納得できない」
などの争いになった場合は、行政書士では対応できない範囲があります。
紛争解決については弁護士に相談することが必要です。
相続人が多い場合は行政書士に依頼できる
相続人が多い場合、行政書士に相続人調査などを依頼することができます。
行政書士がサポートできる主な業務には、
- 戸籍収集
- 相続人調査
- 相続関係説明図の作成
- 相続財産の調査・整理
- 遺産分割協議書の作成
- 自動車などの相続手続き
などがあります。
「自分で戸籍を集めようと思ったけれど、どこから取ればいいのかわからない」
「相続人が多くて関係が複雑」
という場合には、行政書士に相談することで手続きの負担を減らせる場合があります。
行政書士に依頼するメリット
戸籍収集の負担を減らせる
本籍地が複数の市区町村に移っている場合など、戸籍をたどる作業には時間がかかります。
行政書士に依頼すれば、必要な戸籍の収集をサポートしてもらえます。
相続人を整理してもらえる
収集した戸籍をもとに、相続人を確認し、相続関係を整理できます。
遺産分割協議書を作成してもらえる
相続人全員で合意した内容をもとに、遺産分割協議書を作成することができます。
相続手続き全体を整理できる
相続には複数の専門家が関係する場合があります。
行政書士に相談することで、
「行政書士に依頼できること」
「司法書士に依頼すること」
「税理士に相談すること」
「弁護士に相談すること」
を整理しやすくなります。
相続人が多い場合の相続手続きの流れ
全体の流れを簡単にまとめると、次のようになります。
① 戸籍を収集する
↓
② 相続人を確定する
↓
③ 相続関係を整理する
↓
④ 相続財産を調査する
↓
⑤ 相続人全員で遺産分割協議を行う
↓
⑥ 遺産分割協議書を作成する
↓
⑦ 預貯金・自動車などの相続手続きを行う
↓
⑧ 必要に応じて相続登記・相続税申告などを行う
相続人が多いほど、最初の**「相続人を確定する」作業が重要**になります。
まとめ|相続人が多いほど早めの整理が重要
相続人が多い場合、相続手続きはどうしても複雑になりやすくなります。
特に重要なのは、
相続人の確定
相続財産の調査
相続人全員による遺産分割協議
遺産分割協議書の作成
です。
「相続人が誰なのかわからない」
「戸籍がたくさんあって整理できない」
「遠方の相続人がいる」
「遺産分割協議書の作り方がわからない」
という場合は、一人で悩まず、早めに専門家へ相談しましょう。
鹿児島県で相続人調査・戸籍収集にお困りの方へ
行政書士新川憲一事務所では、鹿児島県内の相続について、
- 相続人調査
- 戸籍収集
- 相続関係説明図の作成
- 相続財産の調査・整理
- 遺産分割協議書の作成
- 自動車などの相続手続き
- 遺言書作成のサポート
などのご相談を承っています。
特に、
「相続人が多くて自分では整理できない」
「戸籍を集める時間がない」
「遺産分割協議書を作成してほしい」
という方は、お気軽にご相談ください。
【相続について相談する】
相続登記は司法書士、相続税の申告は税理士、相続人間の紛争については弁護士など、それぞれ専門の業務があります。当事務所で対応できない手続きについては、必要に応じて適切な専門家と連携して対応します。
※本記事は一般的な情報を提供するものであり、個別の相続について法的判断を行うものではありません。相続関係や財産状況によって必要な手続きが異なる場合があります。
鹿児島県鹿児島市春山町の行政書士新川憲一事務所です。
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鹿児島市日置市及び近隣地域で、皆様の手続きを全力でサポート致します。
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行政書士新川憲一事務所
鹿児島県鹿児島市春山町
一つひとつの確認を丁寧に行い、迅速・正確・誠実な対応を徹底します。
「凡事徹底」の姿勢を大切にし、お客様の大切な手続きを責任を持ってサポートします。
【1問1答】相続人調査・遺産分割協議書の基礎知識
問題1
相続人が誰なのかは、家族が把握している情報だけで判断してよい。
答え:×
戸籍を確認して、法律上の相続人を確定することが重要です。
問題2
亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を調査することは、相続人を確定するために重要である。
答え:○
戸籍をたどることで、前婚の子どもなど、家族が把握していなかった相続人が判明する場合があります。
問題3
相続人が多い場合でも、代表者1人だけが遺産分割協議をすればよい。
答え:×
遺産分割協議は、原則として相続人全員で行う必要があります。
問題4
遺産分割協議書を作成する前に、相続財産を調査することが重要である。
答え:○
財産を把握しないまま協議をすると、後から新たな財産が見つかり、追加の協議が必要になる可能性があります。
問題5
相続人が多くて戸籍収集が大変な場合、行政書士に相談することができる。
答え:○
行政書士は、相続人調査や戸籍収集、相続関係説明図の作成、遺産分割協議書の作成などをサポートできます。
