産業廃棄物収集運搬業許可を取得するには?要件・必要書類をわかりやすく解説

「産業廃棄物を運搬する仕事を始めたいけれど、許可が必要なの?」

「産業廃棄物収集運搬業許可を取得するには、どのような要件がある?」

「申請にはどんな書類を準備すればいい?」

産業廃棄物の収集運搬を事業として始める場合、このような疑問を持つ事業者様は少なくありません。

産業廃棄物収集運搬業許可は、申請書を提出するだけで取得できるものではありません。運搬施設、事業を行う能力、経理的基礎、欠格要件など、一定の許可基準を満たす必要があります。

この記事では、鹿児島県での申請を検討している事業者様にも役立つよう、産業廃棄物収集運搬業許可の主な要件と必要書類を行政書士がわかりやすく解説します。

産業廃棄物収集運搬業許可とは?

産業廃棄物収集運搬業許可とは、他人から委託を受けて、産業廃棄物を収集・運搬する事業を行うための許可です。

廃棄物処理法では、産業廃棄物の処理を業として行う者について、原則として都道府県知事等の許可を受けることが定められています。 (環境省)

例えば、次のような事業が考えられます。

  • 建設現場から発生した産業廃棄物を処分場まで運搬する
  • 解体工事で発生した廃棄物を収集・運搬する
  • 他社から委託を受けて産業廃棄物を運搬する
  • 産業廃棄物処理業者として収集運搬を行う

特に建設業では、工事によって発生する産業廃棄物を誰が運搬するのかを事前に確認することが重要です。

産業廃棄物収集運搬業許可を取得するための主な要件

産業廃棄物収集運搬業許可を取得するためには、主に次のような点が審査されます。

主なポイント

  1. 運搬施設に関する基準を満たしている
  2. 事業を適切に行うための能力がある
  3. 経理的基礎がある
  4. 欠格要件に該当していない
  5. 必要な講習会を修了している

ここから、それぞれ詳しく見ていきます。

① 適切な運搬施設を確保していること

産業廃棄物を運搬するためには、適切な車両や運搬容器などを用意する必要があります。

特に重要なのが、運搬中に産業廃棄物が、

  • 飛散する
  • 流出する
  • 悪臭を漏らす

といったことを防止できる設備・車両であることです。

例えば、建設廃棄物を運搬する場合には、廃棄物の性状に応じた車両を使用し、飛散のおそれがある場合にはシート等で覆うなどの対応が必要です。 (環境省)

そのため、申請前に使用予定の車両について確認しておくことが大切です。

② 事業を適切に行うための能力があること

産業廃棄物収集運搬業を適正に行うためには、必要な知識や技術的能力が求められます。

そのため、許可申請においては、講習会の修了など、事業を適切に行える能力を確認するための書類が必要になります。

産業廃棄物処理業の許可申請では、事業計画や技術的能力に関する書類が申請書類として位置付けられています。 (環境省)

③ 経理的基礎があること

「経理的基礎」とは、簡単にいうと、産業廃棄物収集運搬業を継続して適正に行えるだけの経済的な基盤があるかということです。

法人の場合には、

  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 法人税関係の書類

など、財務状況を確認するための書類が必要になることがあります。

特に、

赤字が続いている

債務超過になっている

といった場合には注意が必要です。

ただし、赤字だから必ず許可が取れないという単純なものではありません。

申請者の財務状況によって追加資料等が必要になる場合もあるため、事前に確認することをおすすめします。

④ 欠格要件に該当していないこと

産業廃棄物収集運搬業許可では、申請者が一定の欠格要件に該当していないことも重要です。

例えば、廃棄物処理法に定められた欠格要件に該当する場合、許可を受けられない可能性があります。

法人の場合は代表者だけでなく、役員などについても確認が必要になるため注意しましょう。

申請時には、欠格要件に該当しないことを誓約する書面などが必要となります。 (環境省)

⑤ 講習会を修了していること

産業廃棄物収集運搬業許可の申請では、講習会の修了が重要なポイントになります。

講習会については、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が実施しています。

「許可申請をしたい」と思ってから講習会を探すのではなく、許可取得を考えた段階で早めに講習会の日程を確認することをおすすめします。

講習会の受講時期によっては、申請スケジュールに影響する可能性があります。

産業廃棄物収集運搬業許可の必要書類

必要書類は、法人・個人の別や申請内容などによって異なります。

鹿児島県が公開している令和7年3月18日改訂の手引き・様式では、新規申請について、許可申請書、事業計画の概要、事務所・事業場・車庫の位置図、車庫の見取図、車両・容器の写真、車検証等の書類などが必要書類として示されています。 (鹿児島県公式サイト)

代表的な書類を確認してみましょう。

① 産業廃棄物収集運搬業許可申請書

まず基本となるのが許可申請書です。

申請者の情報だけでなく、許可を受けようとする産業廃棄物の種類や事業範囲などを正確に記載する必要があります。

② 事業計画の概要

どのような産業廃棄物を、どこから、どこへ、どのように運ぶのかを明確にします。

例えば、

建設工事現場
↓
収集運搬
↓
許可を受けた処分業者

という流れです。

鹿児島県の申請書類でも「事業計画の概要を記載した書類」が新規申請の必要書類として挙げられています。 (鹿児島県公式サイト)

③ 事務所・事業場・車庫の位置図

事業を行う場所について、

  • 事務所
  • 事業場
  • 車庫

などの位置関係を確認できる資料を準備します。

鹿児島県の手引きでは、事務所の位置図、事業場・車庫の位置図、車庫の見取図などが新規申請の添付書類とされています。 (鹿児島県公式サイト)

④ 車両の写真

使用する運搬車両について、写真を準備します。

申請時には、単に「トラックがあります」というだけではなく、申請する車両を確認できる資料を用意する必要があります。

⑤ 車検証等の書類

使用する車両について、車検証等の書類を提出します。

鹿児島県では、令和5年1月以降に車検を受けた車両については、車検証に代えて「自動車検査証記録事項」の写しを添付する扱いが示されています。 (鹿児島県公式サイト)

また、車検証等だけで使用権原を確認できない場合には、車両使用承諾書等が必要になる場合があります。

⑥ 講習会修了証

必要な講習会を受講したことを証明する書類です。

申請直前に受講しようとするとスケジュールに余裕がなくなる可能性があるため、早めの準備がおすすめです。

⑦ 法人関係の書類

法人が申請する場合には、例えば、

  • 定款
  • 登記事項証明書
  • 財務関係書類
  • 法人税関係書類

などが必要になる場合があります。

環境省の資料でも、法人申請の場合の定款・登記事項証明書や直前三年の財務関係書類などが申請書類として挙げられています。 (環境省)

⑧ 役員等に関する書類

法人の場合、役員等について確認するための書類が必要になります。

産業廃棄物収集運搬業許可では欠格要件の確認が重要なので、代表者だけでなく、対象となる役員等について漏れなく確認しましょう。

⑨ 誓約書など

欠格要件に該当しないことなどを確認するための誓約書等を提出します。

必要書類を一覧で確認

書類主な内容
許可申請書許可申請の基本書類
事業計画の概要廃棄物の種類・運搬方法等
位置図事務所・事業場・車庫
車庫の見取図車庫の状況
車両写真使用する運搬車両
車検証等車両情報
使用権原関係書類車両を使用する権利
講習会修了証講習会の修了を証明
法人関係書類定款・登記事項証明書等
財務関係書類経理的基礎の確認
誓約書欠格要件等の確認

※実際に必要となる書類は、申請者の状況や申請内容によって異なります。

産業廃棄物の「種類」を正しく確認することが重要

産業廃棄物収集運搬業許可では、何を運ぶのかを明確にすることが非常に重要です。

産業廃棄物には、例えば、

  • 燃え殻
  • 汚泥
  • 廃油
  • 廃酸
  • 廃アルカリ
  • 廃プラスチック類
  • 紙くず
  • 木くず
  • 繊維くず
  • 動植物性残さ
  • ゴムくず
  • 金属くず
  • ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず
  • 鉱さい
  • がれき類
  • ばいじん

などがあります。

すべてを運搬する必要があるわけではありません。

自社が実際に扱う産業廃棄物の種類を確認して、必要な許可範囲を検討することが大切です。

「積替え・保管あり」と「積替え・保管なし」に注意

産業廃棄物収集運搬業許可を考えるときには、積替え・保管を行うかどうかも重要です。

単純に、

排出場所 → 処分場

と運搬する場合と、

排出場所 → 一時保管 → 処分場

のように途中で積替え・保管を行う場合では、必要となる施設や申請内容が変わります。

積替え・保管を行う場合には、その場所の位置図や平面図、構造等に関する資料なども必要になります。鹿児島県の手引きでも、積替え・保管を行う場合の追加書類が示されています。 (鹿児島県公式サイト)

建設業者が産廃許可を取得するときの注意点

産業廃棄物収集運搬業許可と特に相性がいいのが建設業です。

建設工事では、

  • がれき類
  • 木くず
  • 金属くず
  • 廃プラスチック類
  • ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず

など、さまざまな産業廃棄物が発生します。

ただし、

「建設業許可を持っている=産業廃棄物収集運搬業許可も持っている」

ということではありません。

建設業許可と産業廃棄物収集運搬業許可は別の制度です。

そのため、建設業者が自社の事業として産業廃棄物の収集運搬を行う場合には、具体的な運搬方法や委託関係などを確認する必要があります。

環境省も、建設廃棄物の収集運搬について、廃棄物の種類に応じた車両を使用することや、飛散防止などの適切な運搬を行うことを示しています。 (環境省)

産業廃棄物収集運搬業許可取得までの流れ

大まかな流れは次のようになります。

① 許可要件を確認

↓

② 運搬する産業廃棄物の種類を決める

↓

③ 車両・車庫等を確認

↓

④ 講習会を受講

↓

⑤ 必要書類を収集

↓

⑥ 申請書を作成

↓

⑦ 行政庁へ申請

↓

⑧ 審査

↓

⑨ 許可証交付

という流れになります。

自分で申請するか、行政書士に依頼するか?

産業廃棄物収集運搬業許可は、自分で申請することもできます。

しかし、必要書類が多く、車両や事業計画、財務関係書類などについて確認する必要があります。

特に、

  • 初めて許可を申請する
  • 建設業と兼業している
  • 使用車両が複数ある
  • 法人の役員が多い
  • 赤字決算になっている
  • 積替え・保管を行いたい

といった場合は、事前に専門家へ相談するとスムーズです。

鹿児島県で産業廃棄物収集運搬業許可を取得するなら

鹿児島県では、産業廃棄物処理業について「許可申請・届出の手引き」や申請様式が公開されています。現在公開されている手引きは令和7年3月18日改訂版です。 (鹿児島県公式サイト)

ただし、申請書類や制度は変更されることがあります。

実際に申請する際には、最新の鹿児島県の手引き・様式を確認することが重要です。

「自社の場合、許可が必要なのか分からない」

「どの種類の産業廃棄物を申請すればいい?」

「車両はこのままで大丈夫?」

「必要書類を一から確認してほしい」

このような場合は、行政書士にご相談ください。

当事務所では、鹿児島県内の産業廃棄物収集運搬業許可申請についてご相談を承っています。

また、建設業許可申請についても対応していますので、建設業許可と産業廃棄物収集運搬業許可をあわせて検討している事業者様もお気軽にご相談ください。

産業廃棄物収集運搬業許可|一問一答

Q1.産業廃棄物を運ぶだけなら許可はいらない?

A.他人から委託を受けて、業として収集・運搬する場合は、原則として許可が必要です。

Q2.個人事業主でも許可を取得できますか?

A.はい、個人事業主でも申請できます。

ただし、法人と個人では提出する書類が異なる場合があります。

Q3.建設業許可があれば産廃許可も取得済みですか?

A.いいえ。別の許可です。

建設業許可と産業廃棄物収集運搬業許可は、それぞれ別に確認する必要があります。

Q4.普通のトラックでも運搬できますか?

A.車両の種類や運搬する産業廃棄物によって確認が必要です。

特に飛散・流出・悪臭などを防止できる構造になっていることが重要です。

Q5.産業廃棄物なら何でも運べますか?

A.いいえ。

許可申請では、取り扱う産業廃棄物の種類を明確にします。

自社が実際に運搬する廃棄物の種類を確認して申請することが重要です。

Q6.車両は会社所有でなければいけませんか?

A.必ずしも会社所有でなければならないとは限りません。

ただし、車両の使用権原を確認できる書類が必要になる場合があります。

Q7.車庫は必要ですか?

A.事業に使用する車両を適切に保管・管理するための車庫等について確認が必要です。

鹿児島県の申請では、車庫の位置図や見取図などが必要書類として示されています。 (鹿児島県公式サイト)

Q8.積替え・保管もできますか?

A.可能ですが、積替え・保管を行う場合は別途施設等について確認が必要です。

積替え・保管場所について、位置図、平面図、構造等に関する資料などが必要になります。 (鹿児島県公式サイト)

Q9.赤字の会社でも許可を取得できますか?

A.赤字だから直ちに許可が取得できないとは限りません。

ただし、経理的基礎について審査されるため、財務状況によっては追加資料などが必要になる場合があります。

Q10.産廃許可の申請は行政書士に依頼できますか?

A.はい。

行政書士は、許可申請書の作成や必要書類の確認、申請手続きのサポートを行うことができます。

まとめ

産業廃棄物収集運搬業許可を取得するためには、単に申請書を提出するだけではなく、

「許可要件」
「産業廃棄物の種類」
「車両・運搬施設」
「車庫」
「講習会」
「財務状況」
「欠格要件」
「必要書類」

などを一つずつ確認する必要があります。

特に建設業者の場合は、建設工事に伴って発生する産業廃棄物の処理・運搬について、早めに確認しておくことをおすすめします。

鹿児島県で産業廃棄物収集運搬業許可の取得をお考えの事業者様は、ぜひ行政書士にご相談ください。

「許可が必要かどうか分からない」という段階からでもご相談いただけます。

※この記事は、鹿児島県および環境省が公開している資料を参考に作成しています。申請時には必ず最新の法令、鹿児島県の手引き・様式等をご確認ください。

鹿児島県鹿児島市春山町の行政書士新川憲一事務所です。
「許可が必要なのか分からない」
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鹿児島市日置市及び近隣地域で、皆様の手続きを全力でサポート致します。


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