【鹿児島県】経営事項審査(経審)とは?公共工事の入札参加に必要な手続きを行政書士が解説

「公共工事を受注したいけれど、経営事項審査(経審)って何?」

「建設業許可を持っていれば、公共工事の入札に参加できるの?」

「経審はどのような流れで受ければいいの?」

建設業を営んでいる方の中には、このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者には、原則として「経営事項審査(経審)」を受けることが建設業法で求められています。

ただし、経審を受けただけで公共工事を受注できるわけではありません。

実際には、

建設業許可 → 決算変更届 → 経営状況分析 → 経営事項審査 → 入札参加資格審査 → 入札

という流れを理解しておくことが重要です。

この記事では、鹿児島県で公共工事への入札参加を目指す建設業者の方に向けて、経営事項審査の基本から申請の流れ、評価項目、注意点まで行政書士がわかりやすく解説します。

※経審の制度や鹿児島県の申請方法は変更されることがあります。この記事では2026年8月時点の鹿児島県の情報をもとに解説しています。

目次

  1. 経営事項審査(経審)とは?
  2. どのような建設業者が経審を受ける必要がある?
  3. 経審を受ければ公共工事を受注できる?
  4. 経審の評価項目「X・Y・Z・W」とは?
  5. 経審の総合評定値「P点」とは?
  6. 鹿児島県で経審を受けるまでの流れ
  7. STEP1 建設業許可を取得する
  8. STEP2 決算変更届を提出する
  9. STEP3 経営状況分析を受ける
  10. STEP4 経営規模等評価・総合評定値の申請をする
  11. STEP5 入札参加資格審査を申請する
  12. 鹿児島県の経審で注意したい2026年7月改正
  13. 経審でよくある失敗・注意点
  14. 経審を行政書士に依頼するメリット
  15. まとめ
  16. 鹿児島県で経審をお考えの建設業者様へ

1.経営事項審査(経審)とは?

経営事項審査、一般に「経審(けいしん)」と呼ばれる制度は、公共工事を直接請け負おうとする建設業者について、経営状況や経営規模、技術力、社会性などを客観的に評価する制度です。

建設業法第27条の23では、公共性のある施設・工作物に関する一定の建設工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者は、経営事項審査を受けなければならないとされています。 (国土交通省)

簡単にいうと、

「この建設会社は、公共工事を請け負う業者としてどの程度の経営規模・技術力・社会性などを持っているのか」を客観的な点数で評価する制度

と考えるとわかりやすいでしょう。

2.どのような建設業者が経審を受ける必要がある?

すべての建設業者が経審を受けなければならないわけではありません。

基本的には、国や地方公共団体などが発注する一定の公共工事を、元請として直接請け負おうとする建設業者が対象となります。

鹿児島県の案内では、公共工事のうち、原則として工事1件の請負代金が、

  • 建築一式工事:1,500万円以上
  • その他の建設工事:500万円以上

の工事が経審の対象とされています。 (鹿児島県公式ホームページ)

ただし、公共工事にはさまざまな発注者や工事があるため、「500万円以上なら必ず経審が必要」と単純に判断するのではなく、実際に参加したい入札の発注者や工事内容を確認することが重要です。

3.経審を受ければ公共工事を受注できる?

ここは非常に重要です。

経審を受けただけでは、公共工事の入札に参加できるとは限りません。

公共工事の入札に参加するためには、通常、

①建設業許可

↓

②決算変更届

↓

③経営状況分析

↓

④経営事項審査

↓

⑤入札参加資格審査

↓

⑥入札

という手続きが必要になります。

つまり、経審は公共工事を受注するための「入口の重要な手続き」の一つです。

鹿児島県が現在案内している令和9・10年度の県建設工事入札参加資格審査でも、申請者は建設業者であることに加え、一定の審査基準日を基準とした経営事項審査を受けていることなどが要件とされています。 (鹿児島県公式ホームページ)

4.経審の評価項目「X・Y・Z・W」とは?

経審では、会社のさまざまな情報が評価されます。

代表的な評価項目は、

  • X:経営規模
  • Y:経営状況
  • Z:技術力
  • W:その他の審査項目(社会性等)

です。

それぞれ簡単に説明します。

X:経営規模

Xでは、会社の経営規模などが評価されます。

例えば、完成工事高や自己資本額、平均利益額など、会社の事業規模・経営力に関係する項目が評価対象となります。

簡単にいえば、

「どの程度の規模の工事を請け負ってきた会社なのか」

という部分を見るイメージです。

Y:経営状況

Yは、会社の財務内容などから経営状況を評価する部分です。

例えば、

  • 負債の状況
  • 自己資本
  • 利益
  • キャッシュフロー
  • 財務の健全性

などが評価に関係します。

経営状況分析は、国土交通大臣の登録を受けた「登録経営状況分析機関」が行います。 (国土交通省)

そのため、経審の申請前に、まず経営状況分析を受けておく必要があります。

Z:技術力

Zでは、主に技術職員の状況や元請完成工事高などが評価されます。

資格を持った技術者がどの程度在籍しているかなどが、経審の評価に関係します。

したがって、

「技術者の資格や実務経験を適切に整理しておくこと」

も経審では重要です。

W:その他の審査項目(社会性等)

Wは、社会性などを評価する項目です。

例えば、

  • 労働福祉
  • 建設業の担い手確保
  • 防災活動
  • 法令遵守
  • 建設機械の保有
  • ISO等の取得

など、さまざまな項目が関係します。

特に近年は、社会保険、建設業の担い手確保、災害対応など、企業の社会的な取り組みも評価される仕組みになっています。

5.経審の総合評定値「P点」とは?

経審の話をすると、必ず出てくるのが「P点」です。

P点とは、経営規模、経営状況、技術力、社会性などを総合的に評価した「総合評定値」のことです。

簡単にいえば、

「この会社の公共工事に関する客観的な評価を総合的に点数化したもの」

です。

公共工事の発注者は、このP点などを入札参加資格審査や格付けの際に利用します。

ただし、発注者によって入札参加資格の基準や格付けの仕組みは異なります。

そのため、

「P点が○点なら必ず○ランクになる」

と全国一律に考えることはできません。

参加したい自治体の入札参加資格制度を確認することが重要です。

6.鹿児島県で経審を受けるまでの流れ

鹿児島県で経審を受ける場合、大まかな流れは次のとおりです。

STEP1 建設業許可を取得

↓

STEP2 決算変更届を提出

↓

STEP3 経営状況分析を申請

↓

STEP4 経営事項審査を申請

↓

STEP5 経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書を受け取る

↓

STEP6 入札参加資格審査を申請

↓

STEP7 入札参加

鹿児島県では、経審を受ける場合、原則として決算変更届の受付後に申込みを行います。現在の県の案内では、経審の有効期限が切れる前月までに往復はがきで申し込むよう案内されています。 (鹿児島県公式ホームページ)

7.STEP1 建設業許可を取得する

公共工事への参入を考えるなら、まず建設業許可の状況を確認します。

公共工事では、工事の種類や請負金額などに応じて建設業許可が必要となるため、経審だけを考えるのではなく、まず許可業種を適切に整えておくことが大切です。

例えば、

「土木一式工事の公共工事に参加したい」

のであれば、土木工事業の許可が必要かどうかを確認します。

また、許可を取得しただけで終わりではありません。

許可取得後は、毎年の決算変更届などの維持管理も必要になります。

8.STEP2 決算変更届を提出する

建設業許可業者は、毎事業年度終了後に決算変更届を提出する必要があります。

経審を受ける場合、この決算変更届の内容が非常に重要です。

特に、

  • 工事経歴書
  • 財務諸表
  • 完成工事高
  • 工事内容
  • 技術者関係の情報

などについて、経審で使用する情報と整合しているか確認する必要があります。

決算変更届を適当に作成してしまうと、後の経審で修正が必要になるケースがあります。

そのため、

「決算変更届を作成する段階から経審を意識する」

ことが大切です。

9.STEP3 経営状況分析を受ける

次に「経営状況分析」を受けます。

経営状況分析は、経審のうち「Y点」に関係する部分です。

登録経営状況分析機関に財務諸表などを提出し、経営状況について分析を受けます。

そして「経営状況分析結果通知書」を取得します。

この通知書は、その後の経営事項審査で使用します。

10.STEP4 経営規模等評価・総合評定値の申請をする

経営状況分析が終わったら、鹿児島県に経営事項審査を申請します。

鹿児島県では、経営事項審査を受けるために事前の申込みが必要です。

県から指定された日時・会場で必要書類を持参して審査を受けるという流れになっています。 (鹿児島県公式ホームページ)

ここで、

  • 経営規模等評価
  • 総合評定値

について申請します。

審査が完了すると、経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書が交付されます。

この通知書に記載されている総合評定値が、いわゆる「P点」です。

11.STEP5 入札参加資格審査を申請する

経審が終わったら、次は入札参加資格審査です。

ここを忘れてはいけません。

経審=入札参加資格

ではありません。

例えば鹿児島県の建設工事入札参加資格審査では、経審を受けていることに加えて、一定の工事実績などの要件が設けられています。 (鹿児島県公式ホームページ)

また、県だけではなく、

  • 鹿児島市
  • 各市町村
  • 国
  • 独立行政法人等

など、発注者ごとに入札参加資格の申請方法や条件が異なる場合があります。

「どこの公共工事に参加したいのか」を最初に決めておくことが重要です。

12.鹿児島県の経審で注意したい2026年7月改正

2026年7月1日から、経審の評価項目・審査基準が改正されています。

鹿児島県も2026年7月1日以降の申請について、新しい様式で申請するよう案内しています。旧様式では受付されないため注意が必要です。 (鹿児島県公式ホームページ)

今回の改正では、W点の評価・加点対象について変更が行われています。

具体的には、

建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度

新たな加点対象として設けられています。

審査基準日が宣言日以降であり、所定の宣言書・誓約書を提出する場合に加点対象となります。 (鹿児島県公式ホームページ)

建設機械の保有状況

加点対象となる建設機械が拡大され、

  • 不整地運搬車
  • アスファルト・フィニッシャ

が追加されています。 (鹿児島県公式ホームページ)

経審は制度改正が行われることがあります。

「去年と同じ書類を使えば大丈夫」と考えず、申請する年度の最新情報を確認することが重要です。

13.経審でよくある失敗・注意点

経審では、次のような失敗に注意しましょう。

① 決算変更届と経審の内容が一致していない

完成工事高や工事内容などについて、決算変更届と経審申請書類の内容が一致していないと、確認や修正が必要になる場合があります。

② 経営状況分析を忘れている

経審では経営状況分析が必要になるため、

決算変更届 → 経営状況分析 → 経審

という順番を意識しましょう。

③ 経審を受ければ入札できると思っている

これは非常に多い誤解です。

経審の後には、発注者ごとの入札参加資格審査があります。

公共工事を受注するには、

経審+入札参加資格審査

をセットで考える必要があります。

④ 経審の予約・申込みが遅れる

鹿児島県では、経審の申込み方法や受付時期が定められています。

県の案内では、決算変更届の受付後、原則として経審の有効期限が切れる前月までに往復はがきで申し込むよう案内されています。 (鹿児島県公式ホームページ)

「決算が終わってから考えればいい」と後回しにすると、スケジュールが厳しくなる可能性があります。

⑤ 古い様式を使用する

2026年7月1日から制度改正が行われているため、現在は新様式を使用する必要があります。 (鹿児島県公式ホームページ)

申請時には、鹿児島県の最新様式を確認しましょう。

⑥ 加点できる項目を確認していない

経審では、会社が取り組んでいることが評価対象になる場合があります。

例えば、

  • 技術者の資格
  • 建設機械の保有
  • 社会保険関係
  • 防災活動
  • ISO等
  • 担い手確保に関する取り組み

などです。

「うちの会社は小さいから経審の点数は上げられない」と最初から諦めるのではなく、現在の会社の状況で何が評価対象になるのかを確認することが大切です。

14.経審を行政書士に依頼するメリット

経審は、単に申請書に数字を記入するだけの手続きではありません。

決算変更届、財務諸表、工事経歴書、経営状況分析、技術者情報、社会性等の加点項目など、複数の資料を確認する必要があります。

特に初めて経審を受ける会社の場合、

「何から始めればいいかわからない」

という状態になりがちです。

行政書士に依頼することで、

  • 経審までのスケジュール管理
  • 決算変更届の確認
  • 必要書類の整理
  • 経営状況分析の準備
  • 経審申請書類の作成
  • 加点項目の確認
  • 入札参加資格申請の準備

などをまとめてサポートしてもらえる場合があります。

特に重要なのは、「経審の申請だけ」ではなく、その前後まで含めて全体のスケジュールを考えることです。

15.まとめ

経営事項審査(経審)は、公共工事を元請として直接請け負おうとする建設業者にとって重要な制度です。

経審では、

  • X:経営規模
  • Y:経営状況
  • Z:技術力
  • W:社会性等

といった項目から会社を客観的に評価し、その結果として「P点」と呼ばれる総合評定値が算出されます。

ただし、

経審を受ければ、そのまま公共工事を受注できるわけではありません。

基本的には、

建設業許可

↓

決算変更届

↓

経営状況分析

↓

経営事項審査

↓

入札参加資格審査

↓

入札

という流れで準備していく必要があります。

また、鹿児島県では2026年7月1日から経審の審査基準が改正されています。現在の申請では新様式が必要となっているため、古い情報だけを参考にしないことが重要です。 (鹿児島県公式ホームページ)

16.鹿児島県で経審をお考えの建設業者様へ

「公共工事に参入したいけれど、経審のことがよくわからない」

「決算変更届から経審までまとめて準備したい」

「現在の会社で、どの加点項目が利用できるのか知りたい」

このような場合は、早めに準備を始めることをおすすめします。

経審は、決算が終わってから急いで準備するよりも、次の経審を見据えて日頃から資料や技術者情報、工事実績などを整理しておくことが重要です。

鹿児島県では、経審の申請時期や必要書類、様式などが定められていますので、最新情報を確認しながら準備しましょう。

鹿児島県の経営事項審査に関する最新情報は、県の公式ページで確認できます。 鹿児島県「経営事項審査」公式ページ

「経審を受けたいけれど、何から始めればいいかわからない」という建設業者様は、まず現在の建設業許可、決算変更届、工事実績、技術者の資格状況などを整理してみましょう。

行政書士に相談することで、経審だけでなく、その後の入札参加資格申請まで見据えた準備を進めることができます。

鹿児島県で公共工事への参入をお考えの建設業者様は、早めの準備をおすすめします。

鹿児島県鹿児島市春山町の行政書士新川憲一事務所です。
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鹿児島市日置市及び近隣地域で、皆様の手続きを全力でサポート致します。


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