親が亡くなったら何をする?相続手続きの流れを行政書士が解説
親が亡くなると、葬儀や納骨などに加えて、さまざまな相続手続きが始まります。
「何から手を付ければいいのかわからない」
「相続人は誰なの?」
「銀行や不動産の手続きはいつまでにすればいい?」
このように戸惑う方も少なくありません。
相続手続きには、期限が決められているものもあります。そのため、できるだけ早い段階で全体の流れを把握しておくことが大切です。
この記事では、親が亡くなった場合を想定して、相続手続きの大まかな流れを行政書士がわかりやすく解説します。
1.まず死亡届などの必要な手続きをする
家族が亡くなった場合、まず死亡届を提出します。
死亡届は、原則として死亡の事実を知った日から7日以内に提出する必要があります。
通常は、死亡届と火葬許可申請など、葬儀に必要となる手続きを行います。
この段階では相続財産の調査よりも、まずは葬儀や役所関係の手続きを優先します。
2.遺言書があるか確認する
葬儀などが落ち着いたら、できるだけ早い段階で遺言書が残されていないか確認しましょう。
遺言書があるかどうかによって、その後の相続手続きが大きく変わる可能性があります。
自宅だけでなく、
- 法務局の自筆証書遺言書保管制度
- 公証役場で作成した公正証書遺言
- 貸金庫など
についても確認します。
遺言書が見つかった場合、種類によっては家庭裁判所での検認が必要になることがあります。
なお、法務局に保管されている自筆証書遺言や公正証書遺言など、検認が不要なものもあります。
遺言書を見つけたからといって、自己判断で処分したり内容を書き換えたりしてはいけません。
3.相続人を調査する
次に行うのが、誰が相続人なのかを確定する作業です。
「子どもは自分たちだけだから簡単」
と思っていても、戸籍を確認すると、前婚の子どもや認知した子どもなど、知られていなかった相続人が判明するケースがあります。
そのため、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を収集して、相続人を確認します。
一般的には、
- 戸籍謄本
- 除籍謄本
- 改製原戸籍
- 相続人の戸籍
などを取得して確認します。
相続手続きでは、この戸籍収集が大きな負担になることがあります。
4.相続財産を調査する
相続人の調査と並行して、亡くなった方がどのような財産を持っていたのかを調べます。
例えば、
プラスの財産
- 預貯金
- 土地・建物
- 自動車
- 株式などの有価証券
- 生命保険
- その他の財産
などがあります。
一方で、
マイナスの財産
- 住宅ローン
- カードローン
- 借入金
- 未払いの債務
などについても確認します。
相続では、プラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産についても確認することが重要です。
5.相続放棄をするか検討する
亡くなった方に多額の借金がある場合などには、相続放棄を検討する必要があります。
相続放棄をすると、原則としてその相続について、プラスの財産もマイナスの財産も引き継がないことになります。
重要なのは期限です。
相続放棄は、原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。
「借金があるかもしれないけれど、まだ調査が終わっていない」
という場合には、期限について早めに専門家へ相談することが重要です。
なお、相続放棄の申述は家庭裁判所で行う手続きです。
行政書士が相続放棄の申述を代理することはできないため、必要に応じて司法書士や弁護士などの専門家につなぐことになります。
6.相続人全員で遺産分割について話し合う
遺言書がない場合などには、相続人全員で遺産をどのように分けるのかを話し合います。
これを遺産分割協議といいます。
例えば、
「自宅は長男が相続する」
「預貯金は妻が相続する」
「自動車は次男が相続する」
といった形で、相続人の間で財産の分け方を決めます。
相続人全員が合意したら、その内容を遺産分割協議書にまとめます。
7.預貯金や自動車などの名義変更・解約手続きをする
遺産分割の内容が決まったら、各財産について具体的な相続手続きを行います。
例えば、
- 銀行口座の解約・名義変更
- 株式などの名義変更
- 自動車の名義変更
- 不動産の相続登記
などです。
ここで注意したいのが、不動産の相続登記です。
相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することが原則として義務付けられています。
相続登記は司法書士が専門的に扱う業務です。
行政書士事務所では、相続人調査や遺産分割協議書作成などをサポートし、必要に応じて司法書士などの他士業と連携することができます。
相続手続きには期限がある
相続では、期限に注意しなければならない手続きがあります。
代表的なものとして、
| 手続き | 主な期限 |
|---|---|
| 死亡届 | 原則7日以内 |
| 相続放棄 | 原則3か月以内 |
| 準確定申告 | 原則4か月以内 |
| 相続税の申告・納税 | 原則10か月以内 |
| 相続登記 | 原則3年以内 |
などがあります。
ただし、すべての相続でこれらの手続きが必要になるわけではありません。
例えば、相続税については、基礎控除額を超えるなど一定の場合に申告・納税が必要になります。
また、相続放棄についても、相続財産の状況などによって判断が必要です。
相続手続きで最初に確認したい5つのこと
親が亡くなった後、何をすればいいかわからなくなったら、まず次の5つを確認しましょう。
① 遺言書はあるか
遺言書がある場合は、内容を確認します。
② 相続人は誰か
戸籍を収集して、相続人を確定します。
③ 財産はいくらあるか
預貯金、不動産、自動車などの財産を調査します。
④ 借金はないか
借入金などのマイナスの財産も確認します。
⑤ 期限のある手続きはないか
特に相続放棄などは期限に注意が必要です。
相続手続きは一人で抱え込まなくても大丈夫です
相続手続きは、単純に財産を分けるだけではありません。
戸籍を集めて相続人を確認し、財産を調査し、遺産分割について話し合い、各金融機関や行政機関などで手続きを行う必要があります。
さらに、不動産があれば相続登記、相続税の申告が必要になる場合には税理士への相談など、それぞれ専門的な手続きが関係します。
「何から始めればいいのかわからない」
「相続人を調べてほしい」
「戸籍をまとめてほしい」
「遺産分割協議書を作成してほしい」
といった場合には、行政書士に相談することができます。
行政書士は、相続人調査、相続財産の調査、遺産分割協議書の作成など、相続に関する書類作成や手続きをサポートします。
一方、相続放棄の申述や相続登記、相続税申告など、行政書士が扱えない手続きについては、司法書士・弁護士・税理士などの専門家と連携して対応することが大切です。
まとめ
親が亡くなった場合の相続手続きは、大きく分けると次のような流れになります。
死亡後の手続き
↓
遺言書の確認
↓
相続人の調査
↓
相続財産・借金の調査
↓
相続放棄をするか検討
↓
遺産分割協議
↓
遺産分割協議書の作成
↓
預貯金・自動車などの相続手続き
↓
不動産の相続登記など
すべてを一度に行おうとすると大変です。
まずは、**「遺言書があるか」「相続人は誰か」「どのような財産があるか」**の3点を確認するところから始めましょう。
相続手続きは、家族が亡くなった直後からさまざまな判断を求められます。
少しでも「何から始めればいいかわからない」と感じたら、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
鹿児島県で相続人調査、戸籍収集、相続財産の調査、遺産分割協議書の作成など、相続手続きについてお困りの方は、行政書士新川憲一事務所までお気軽にご相談ください。
※本記事は一般的な情報を提供するものであり、個別の法律・税務上の判断を行うものではありません。個別の事情によって必要な手続きや期限が異なる場合があります。
鹿児島県鹿児島市春山町の行政書士新川憲一事務所です。
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【1問1答】相続手続きの基礎知識
問題1:相続放棄は、相続開始を知った時から原則3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要がある。○か×か?
答え:○
相続放棄は、原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述します。
問題2:遺産分割協議は、相続人の一部だけで行えば有効である。○か×か?
答え:×
原則として、遺産分割協議は相続人全員で行う必要があります。
そのため、まず戸籍を調査して相続人を確定することが重要です。
問題3:相続財産を調査するときは、預貯金や不動産だけ確認すればよい。○か×か?
答え:×
借入金などのマイナスの財産についても確認する必要があります。
特に多額の借金がある場合には、相続放棄などを検討する必要があるため、早めの財産調査が重要です。
問題4:相続登記は行政書士が代理して申請できる。○か×か?
答え:×
不動産の相続登記は司法書士が専門的に扱う業務です。
行政書士は、相続人調査や遺産分割協議書の作成などをサポートし、必要に応じて司法書士などの専門家と連携します。
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