相続財産に車がある場合の名義変更|亡くなった親の車を相続するときの手続きを行政書士が解説
親や家族が亡くなり、相続財産の中に自動車がある場合、
「車の名義はどうすればいい?」
「そのまま乗っていても大丈夫?」
「車を売却したい場合は?」
「廃車にする場合はどうする?」
と疑問に思う方も多いでしょう。
亡くなった方が所有していた自動車も、原則として相続財産になります。
そのため、相続人が車を引き継ぐ場合には、名義変更(移転登録)などの手続きが必要です。
この記事では、普通自動車を中心に、相続した車の名義変更についてわかりやすく解説します。
※車検証の所有者がディーラーやローン会社になっている場合などは手続きが異なることがあります。
1.亡くなった親の車はどうなる?
亡くなった親が所有していた車は、相続財産の一つになります。
例えば、父親が亡くなり、
- 預貯金
- 自宅
- 土地
- 自動車
などが残された場合、自動車についても相続手続きが必要になります。
「家族がそのまま使っているから問題ない」と考えるのではなく、車の所有者を確認して、必要な手続きを進めることが重要です。
2.まず車検証を確認しましょう
相続した車の手続きをする前に、まず確認したいのが**自動車検査証(車検証)**です。
車検証には、所有者や使用者などの情報が記載されています。
特に重要なのは、
「所有者が誰になっているか」
という点です。
亡くなった親が所有者として記載されているのか、それともディーラーやローン会社など別の人・会社が所有者になっているのかによって、必要な手続きが変わる場合があります。
3.相続する人を決める
相続人が複数いる場合、まず車を誰が相続するのかを決める必要があります。
例えば、相続人が、
- 母
- 長男
- 長女
の3人だった場合、
「車は長男が相続する」
というように、相続人間で話し合って決めます。
遺言書がある場合は、まず遺言書の内容を確認します。
遺言書がなく、相続人全員で話し合う場合には、遺産分割協議を行い、その内容を遺産分割協議書に記載することがあります。
4.車を相続したら名義変更が必要
車を相続して引き続き使用する場合には、原則として名義変更の手続きを行います。
普通自動車の場合、一般的には運輸支局等で移転登録の手続きを行います。
車の所有者が亡くなったことによって、車の名義を相続人へ変更する手続きです。
名義変更をしないまま放置すると、後の売却や廃車などの手続きで問題になる可能性があります。
5.相続した車の名義変更に必要になる書類
必要書類は車の状況や相続の方法などによって異なりますが、一般的には次のような書類が関係します。
- 自動車検査証(車検証)
- 亡くなった方の戸籍関係書類
- 相続人に関する戸籍等
- 遺産分割協議書
- 相続人の印鑑証明書
- 譲渡証明書などの関係書類
- 車庫証明書が必要となる場合の書類
- 新しい所有者の住所を確認できる書類
ただし、相続人が一人だけの場合や、遺言書によって相続する場合など、状況によって必要書類が変わります。
また、車庫証明の要否についても、保管場所や登録内容などによって異なるため、事前に確認しましょう。
6.相続人が複数いる場合は遺産分割協議書が重要
相続人が複数いる場合には、
「誰が車を取得するのか」
を明確にしておく必要があります。
例えば、相続人3人のうち長男が車を相続する場合、
「自動車は長男が取得する」
という内容を遺産分割協議書に記載することがあります。
車の登録手続きでは、遺産分割協議書のほか、相続関係を確認するための戸籍などが必要になる場合があります。
7.車を相続したけれど、売却したい場合
「親の車を自分で使う予定はない」
というケースもあります。
その場合、相続した車を売却することもできます。
ただし、売却する場合でも、まず相続関係を整理し、誰が車を相続するのかを明確にすることが重要です。
相続人全員が合意して、特定の相続人が車を取得することになった場合、その相続人が売却するという流れにすることがあります。
車の名義変更や売却手続きについては、車の登録状況や売却先によって必要な手続きが異なります。
8.車を廃車にしたい場合は?
「古い車なので、誰も乗らない」
「売却する価値もない」
という場合には、廃車を検討することもあります。
ただし、廃車にする場合も、亡くなった方の名義のまま勝手に処分するのではなく、相続関係を整理したうえで手続きを進めることが重要です。
普通自動車の場合は、運輸支局等で抹消登録の手続きが関係します。
車を解体する場合など、状況によって必要な手続きが変わります。
9.軽自動車の場合は手続きが違う?
はい。
普通自動車と軽自動車では、手続きを行う場所などが異なります。
軽自動車の場合は、一般的に軽自動車検査協会で名義変更などの手続きを行います。
そのため、
「普通車と同じ窓口に行けばいい」
とは限りません。
相続した車が普通自動車なのか軽自動車なのかを確認して、適切な窓口で手続きを行いましょう。
10.車の所有者がディーラーやローン会社の場合は?
車検証を確認したところ、
「親ではなくディーラーやローン会社が所有者になっている」
というケースがあります。
これは、ローンやリース契約などが関係している可能性があります。
この場合、単純な相続による名義変更だけでは手続きできないことがあります。
まずは車検証に記載されている所有者や、契約内容を確認し、所有者となっている会社などに問い合わせましょう。
11.相続した車の税金にも注意
自動車を所有すると、自動車税(種別割)などの税金が関係します。
相続によって所有者が変わる場合には、名義変更を適切に行うことが重要です。
車を売却・廃車する場合にも、税金や還付などについて確認が必要になることがあります。
具体的な税金の扱いは、登録状況や手続きの時期などによって異なるため、自治体などに確認しましょう。
12.相続した車の名義変更を自分でできる?
もちろん、自分で手続きをすることもできます。
ただし、相続による自動車の名義変更では、
- 戸籍収集
- 相続人の確定
- 遺産分割協議
- 遺産分割協議書の作成
- 車庫証明
- 運輸支局での登録手続き
など、複数の手続きが関係することがあります。
特に相続人が多い場合や、戸籍が複雑な場合には、準備に時間がかかることがあります。
13.行政書士に依頼できる?
行政書士は、業務範囲内で、相続に伴う自動車の名義変更手続きなどをサポートできます。
例えば、
- 相続人調査
- 戸籍収集
- 遺産分割協議書の作成
- 自動車登録に必要な書類の作成
- 自動車登録手続きの代理
などを依頼できる場合があります。
特に、
「相続人調査から車の名義変更までまとめてお願いしたい」
という方には、行政書士へ相談するメリットがあります。
ただし、相続人同士で争いがある場合や、家庭裁判所での手続きが必要な場合などは、弁護士・司法書士など、適切な専門家への相談が必要になる場合があります。
14.相続した車の名義変更でよくある失敗
車検証を確認しない
まず所有者が誰なのかを確認しましょう。
相続人全員の合意を取らない
相続人が複数いる場合、車を誰が取得するのかを明確にする必要があります。
戸籍を途中までしか集めない
相続人を確定するために、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍が必要になる場合があります。
名義変更を後回しにする
「とりあえず家族が乗っているから」と放置せず、早めに必要な手続きを確認しましょう。
15.相続した車の名義変更の基本的な流れ
最後に、一般的な流れをまとめます。
STEP1 車検証を確認する
↓
STEP2 遺言書の有無を確認する
↓
STEP3 相続人を確定する
↓
STEP4 車を誰が相続するか決める
↓
STEP5 必要に応じて遺産分割協議書を作成する
↓
STEP6 必要書類を準備する
↓
STEP7 車庫証明など必要な手続きを行う
↓
STEP8 運輸支局等で名義変更の手続きを行う
↓
STEP9 自動車保険などの契約内容も確認する
※軽自動車の場合は、軽自動車検査協会での手続きが基本となるなど、普通自動車とは異なる点があります。
まとめ|相続した車は早めに名義変更を
亡くなった親の車も相続財産の一つです。
相続人が複数いる場合は、誰が車を取得するのかを決めたうえで、必要な書類を準備して名義変更の手続きを行います。
特に重要なのは、
① 車検証を確認する
② 相続人を確定する
③ 遺言書の有無を確認する
④ 誰が車を相続するか決める
⑤ 必要書類を準備する
⑥ 名義変更の手続きをする
という流れです。
「車は家族がそのまま使うから大丈夫」と放置するのではなく、早めに必要な手続きを確認しましょう。
また、相続人調査や戸籍収集、遺産分割協議書の作成、自動車登録など、複数の手続きが必要になる場合は、専門家にまとめて相談する方法もあります。
相続した車の手続きでお困りの方へ
当事務所では、行政書士が対応できる範囲で、相続人調査、戸籍収集、遺産分割協議書の作成、自動車の名義変更などの相続・自動車手続きをサポートしています。
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行政書士新川憲一事務所
鹿児島県鹿児島市春山町
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「凡事徹底」の姿勢を大切にし、お客様の大切な手続きを責任を持ってサポートします。
一問一答
第1問
亡くなった親が所有していた自動車も、相続財産になる?
答え:○
自動車も財産の一つなので、原則として相続の対象になります。
第2問
相続した車を引き続き使用する場合でも、車の名義変更は必要?
答え:○
相続によって所有者が変わるため、必要な名義変更の手続きを行うことが重要です。
第3問
相続した車の手続きをする前に、車検証で所有者を確認することが重要?
答え:○
所有者が亡くなった親ではなく、ディーラーやローン会社などになっている場合は、手続きが異なることがあります。
第4問
相続人が複数いる場合、車を誰が相続するかを決めずに一人の相続人が勝手に売却してもよい?
答え:×
相続人が複数いる場合は、誰が車を取得するのかを適切に決めてから手続きを進めることが重要です。
第5問
普通自動車と軽自動車では、名義変更を行う窓口が異なる?
答え:○
普通自動車は運輸支局等、軽自動車は軽自動車検査協会で手続きを行うなど、手続きが異なります。
第6問
相続した車を誰も使わない場合、売却や廃車を検討することもできる?
答え:○
相続関係を整理したうえで、売却や廃車などの手続きを行うことができます。
第7問
行政書士は、業務範囲内で相続に伴う自動車の名義変更をサポートできる?
答え:○
行政書士は、業務範囲内で相続人調査、戸籍収集、遺産分割協議書の作成、自動車登録手続きなどをサポートできます。

