鹿児島の企業が外国人を雇用するときに必要な在留資格とは?業種別にわかりやすく解説


鹿児島県内でも、人手不足への対応や事業拡大のため、外国人の採用を検討する企業が増えています。

特に、

  • 建設業
  • 農業・畜産業
  • 製造業
  • 介護
  • 宿泊業
  • 外食業
  • 自動車整備業

などでは、外国人材の活用を検討する企業も少なくありません。

しかし、外国人を採用する際には、

「外国人なら誰でも働けるの?」

「建設業で外国人を雇うには、どの在留資格が必要?」

「特定技能と技術・人文知識・国際業務は何が違う?」

「留学生を卒業後に正社員として採用できる?」

といった疑問が出てきます。

外国人を日本で働かせるためには、原則として、その仕事をすることが認められた在留資格が必要です。

大切なのは、外国人本人だけを見るのではなく、

「どのような仕事をしてもらうのか」
→「その仕事に合った在留資格は何か」
→「外国人本人がその在留資格の要件を満たしているか」

という順番で確認することです。


1.外国人を雇用するときは「在留資格」の確認が必要

外国人が日本で働く場合、まず確認したいのが在留資格です。

在留資格にはさまざまな種類があり、それぞれ日本で認められる活動が異なります。

代表的なものとして、

  • 技術・人文知識・国際業務
  • 特定技能
  • 技能
  • 介護
  • 企業内転勤
  • 高度専門職
  • 特定活動
  • 留学
  • 家族滞在

などがあります。

また、

  • 永住者
  • 日本人の配偶者等
  • 永住者の配偶者等
  • 定住者

などの身分・地位に基づく在留資格については、原則として就労内容に制限がありません。

そのため、外国人を採用するときには、

「外国人だから働ける」

と考えるのではなく、

「現在の在留資格で、予定している仕事ができるのか」

を確認することが重要です。


2.鹿児島の企業が検討することが多い主な在留資格

技術・人文知識・国際業務

「技術・人文知識・国際業務」は、一般に「技人国」と呼ばれている在留資格です。

例えば、

  • ITエンジニア
  • システム開発
  • 建築・土木関係の技術者
  • CADオペレーター
  • 設計
  • 営業
  • 経理
  • 企画
  • 通訳・翻訳
  • 海外取引業務
  • ホテルのフロント業務

など、専門的な知識や技術、外国の文化・言語に関する知識などを必要とする業務が対象になります。

なお、出入国在留管理庁は、2026年4月15日に「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化資料を改正しています。翻訳・通訳業務等の言語能力を用いる対人業務やホテル・旅館等での就労についても、最新の資料を確認することが重要です。(法務省)

建設業での「技人国」は仕事内容が重要

鹿児島県内の建設会社が外国人を採用する場合には、特に注意が必要です。

「建設会社だから技人国で外国人を雇える」というわけではありません。

例えば、

  • 建築設計
  • 土木設計
  • CAD
  • 建築・土木技術者
  • 施工管理など

専門的な業務であれば、「技術・人文知識・国際業務」が検討されます。

一方、建設現場での技能業務を中心に行う場合には、技人国ではなく、特定技能など別の在留資格を検討する必要があります。


3.特定技能

「特定技能」は、人手不足が深刻な特定産業分野において、一定の技能を持つ外国人材を受け入れるための在留資格です。

特定技能には、

  • 特定技能1号
  • 特定技能2号

があります。

鹿児島県内の企業にも関係しやすい分野として、

  • 建設
  • 農業
  • 飲食料品製造
  • 外食
  • 宿泊
  • 自動車整備
  • 介護
  • 工業製品製造業
  • 漁業
  • 林業
  • 木材産業

などがあります。

特定技能は、外国人本人の要件だけでなく、受入企業側にも一定の要件がある点に注意が必要です。

また、特定技能の制度や対象分野については改正が行われていますので、実際に受入れを行う際には最新情報を確認する必要があります。


4.鹿児島の建設業で外国人を採用する場合

鹿児島県内には多くの建設業者があります。

建設業で外国人を採用する場合には、まず実際に任せる仕事内容を具体的にすることが重要です。

例えば、

仕事内容検討する在留資格の例
建築設計技術・人文知識・国際業務
土木設計技術・人文知識・国際業務
CADオペレーター技術・人文知識・国際業務
建築・土木技術者技術・人文知識・国際業務
施工管理技術・人文知識・国際業務など
建設現場の技能業務特定技能(建設)など

このように、同じ「建設会社」であっても、外国人が担当する仕事によって検討する在留資格が変わります。

特定技能の建設分野についても、2026年には制度上の基準が改正されており、2027年4月1日施行予定の改正もあります。(法務省)


5.鹿児島の農業・畜産業で外国人を採用する場合

鹿児島県は農業・畜産業も盛んな地域です。

農業分野で外国人を採用する場合には、**特定技能(農業)**などが検討されます。

ただし、外国人本人の技能・日本語能力などの要件だけでなく、企業側にも一定の要件があります。

そのため、

「農業だから特定技能で採用できる」

と単純に判断するのではなく、

仕事内容、雇用契約、外国人本人の要件、受入企業の要件

を一つずつ確認することが重要です。


6.介護・製造・宿泊・外食などの場合

鹿児島県内で外国人材の活用を検討する場合、建設業や農業だけでなく、介護、製造、宿泊、外食なども重要な分野です。

企業の業界・主な仕事内容検討する主な在留資格
建設現場の技能業務特定技能(建設)など
建築設計・土木設計・CAD技術・人文知識・国際業務
ITエンジニア・システム開発技術・人文知識・国際業務
ホテルのフロント・企画等技術・人文知識・国際業務など
介護業務介護、特定技能(介護)など
農業・畜産業特定技能(農業)など
食品製造・加工特定技能(飲食料品製造業)
外食・飲食店特定技能(外食業)など
外国料理の調理師技能
就労内容に制限なく働く場合永住者・日本人の配偶者等・定住者など

※上記は代表的な例です。実際に取得・変更できる在留資格は、具体的な業務内容、外国人本人の学歴・職歴、企業の状況などによって異なります。


7.留学生を採用する場合

鹿児島県内の大学や専門学校、日本語教育機関などを卒業する外国人留学生を採用するケースもあります。

例えば、

  • ホテルのフロント
  • 営業
  • ITエンジニア
  • 事務職
  • 通訳・翻訳

などとして採用する場合、仕事内容に応じて「技術・人文知識・国際業務」などへの在留資格変更を検討します。

この場合、

「大学を卒業したから、どんな仕事でもできる」

というわけではありません。

学校で学んだ内容や外国人本人の専門性と、就職後の仕事内容との関係などを確認する必要があります。


8.「留学」のまま正社員として働ける?

「留学」の在留資格は、原則として就労を目的とした在留資格ではありません。

一定の条件のもとで資格外活動許可を取得し、アルバイトをすることはできますが、

「留学の在留資格があるから、そのまま正社員として働ける」

というわけではありません。

卒業後に正社員として採用する場合には、仕事内容に応じて在留資格の変更が必要になることがあります。


9.外国人を採用した後にも手続きが必要

外国人の採用では、在留資格の確認だけで終わりではありません。

外国人を雇用する事業主には、原則として外国人雇用状況の届出が必要です。

雇入れや離職の際には、氏名、在留資格、在留期間などを確認して、所定の方法によりハローワークへ届け出る必要があります。

採用時には、

  • 在留カードの確認
  • 雇用契約
  • 社会保険・労働保険
  • 外国人雇用状況の届出
  • 在留期限の管理

なども忘れないようにしましょう。


10.2027年4月1日から「育成就労制度」が始まる予定

外国人材の受入れ制度については、今後さらに大きな変化があります。

現在の技能実習制度に代わる制度として、育成就労制度が2027年4月1日に施行される予定です。

これは非常に重要なポイントです。

なお、2026年9月1日現在、すでに育成就労制度の施行日前申請も始まっており、監理支援機関の許可に関する申請は2026年4月15日から、育成就労計画の認定に関する施行日前申請は2026年9月1日から受け付けられています。(法務省)

したがって、今後外国人材の受入れを検討する企業は、

現在の制度だけでなく、2027年4月以降の制度変更も見据えて準備すること

が重要です。


まとめ|外国人採用では「仕事内容」と「在留資格」の確認が重要

鹿児島県内の企業が外国人を採用するとき、重要なのは、

「外国人を採用できるか」ではなく、「その外国人が、その仕事内容で働けるか」

という視点です。

特に、

  • 建設業
  • 農業
  • 介護
  • 製造業
  • 宿泊業
  • 外食業
  • 自動車整備業

などでは、仕事内容によって検討する在留資格が異なります。

また、2027年4月1日には育成就労制度の施行が予定されており、外国人材の受入れ制度は今後も変化していきます。(法務省)

外国人を採用することが決まってから在留資格を考えるのではなく、採用を検討する段階で確認することが大切です。


よくある失敗・注意点

①「外国人なら誰でも働ける」と考える

外国人だからといって、自由にどのような仕事でもできるわけではありません。

在留資格によって認められる活動が異なります。


②「技人国なら何でもできる」と考える

「技術・人文知識・国際業務」は幅広く利用されている在留資格ですが、どのような仕事でも認められるわけではありません。

特に建設業や製造業では、実際に担当する業務を具体的に確認することが重要です。


③ 特定技能なら簡単に採用できると思う

特定技能では、外国人本人だけでなく、受入企業側にも要件があります。

また、分野ごとにルールが異なるため、事前確認が必要です。


④ 在留カードを確認しない

採用時には、

  • 在留資格
  • 在留期間
  • 就労制限の有無

などを確認しましょう。


⑤ 内定を出してから在留資格を確認する

これは外国人採用で特に注意したいポイントです。

採用後になって、

「予定している仕事では在留資格が取れない」

ということになれば、採用計画を見直す必要が出てくる可能性があります。

できるだけ採用を決定する前に、在留資格と仕事内容の適合性を確認しましょう。


⑥ 外国人雇用状況の届出を忘れる

外国人を雇用した場合、原則として外国人雇用状況の届出が必要です。

採用時の在留資格確認とあわせて、雇用後の手続きについても確認しておきましょう。


外国人採用チェックリスト

採用前

□ どのような仕事を任せるか決まっている
□ 雇用条件・給与・勤務時間を決めている
□ 外国人本人の在留資格を確認した
□ 在留期間を確認した
□ 就労制限の有無を確認した
□ 現在の在留資格で予定している仕事ができるか確認した
□ 必要に応じて在留資格変更・認定申請を検討した

特定技能の場合

□ 対象となる分野か確認した
□ 外国人本人の技能要件を確認した
□ 必要な日本語能力等の要件を確認した
□ 受入企業側の要件を確認した
□ 支援体制について確認した
□ 分野別の基準を確認した

採用後

□ 雇用契約を締結した
□ 在留カード等を確認した
□ 社会保険・労働保険等の手続きを確認した
□ 外国人雇用状況の届出を行った
□ 在留期限を管理している
□ 在留資格の範囲を超えた仕事をさせていない


鹿児島で外国人の採用・在留資格についてお悩みの企業様へ

外国人採用で重要なのは、単に「外国人を採用できるか」ということではありません。

「自社の仕事内容に合った在留資格を選べるか」

という点が重要です。

例えば、

「鹿児島の建設会社で外国人を採用したい」

「農業・畜産業で外国人材を受け入れたい」

「外国人エンジニアを採用したい」

「鹿児島のホテルで外国人を採用したい」

「留学生を卒業後に正社員として採用したい」

「特定技能で外国人を受け入れたい」

「現在働いている外国人の在留資格を変更したい」

といった場合には、仕事内容や外国人本人の学歴・職歴、現在の在留資格などを確認したうえで、適切な手続きを検討する必要があります。

採用を決める前に、一度ご相談ください。

当事務所では、鹿児島県内の企業様からの外国人雇用・在留資格に関するご相談について、仕事内容や外国人本人の状況を確認しながら、必要な手続きを整理していきます。

外国人採用を検討しているけれど、どの在留資格が適切なのか分からないという段階でもご相談ください。

※現在、申請取次に関する研修等の準備を進めております。ご相談内容によっては、対応開始までお時間をいただく場合があります。

鹿児島県鹿児島市春山町の行政書士新川憲一事務所です。
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