空き家は売却・賃貸・解体どれがいい?それぞれのメリット・デメリットを行政書士が解説

「実家が空き家になってしまったけれど、どうすればいい?」

「空き家を売却した方がいいのか、賃貸にした方がいいのか分からない」

「古い家なので、解体して土地だけにした方がいい?」

相続などによって空き家を所有することになった場合、このような悩みを抱える方は少なくありません。

空き家をどうするかについては、売却・賃貸・解体のどれかが一律に正解というわけではありません。

建物の状態、土地の立地、周辺の不動産需要、維持費、修繕費、解体費用、相続関係などを確認したうえで、自分の状況に合った方法を選ぶことが大切です。

また、空き家を長期間放置すると、建物の老朽化や草木の繁茂などによって、近隣に迷惑をかける可能性があります。

そこでこの記事では、空き家の**「売却・賃貸・解体」それぞれのメリット・デメリット**と、判断する際に確認しておきたいポイントについて、行政書士が分かりやすく解説します。


空き家を売却するメリット・デメリット

空き家を今後利用する予定がないのであれば、売却は有力な選択肢です。

売却のメリット

① 空き家の管理から解放される

空き家を所有していると、定期的な管理が必要になります。

例えば、

  • 建物の換気
  • 雨漏りの確認
  • 草刈り
  • 庭木の剪定
  • 水道・電気設備の確認
  • 郵便物の整理
  • 不法侵入の確認

などです。

特に遠方に住んでいる場合、空き家の管理は大きな負担になることがあります。

売却すれば、原則としてその後の建物管理から解放されます。

② 維持費の負担を減らせる

不動産を所有している間は、固定資産税などの負担が発生します。

また、建物の修繕や庭の管理などにも費用がかかります。

売却することで、こうした将来的な維持管理の負担を減らすことができます。

③ 不動産を現金化できる

空き家を売却することで、不動産を現金に換えることができます。

相続した空き家の場合には、売却代金を相続人間で分配したり、今後の生活資金などに活用したりすることも考えられます。


売却のデメリット

① 希望する価格で売れるとは限らない

空き家の立地や築年数、建物の状態などによっては、希望する価格で売却できない場合があります。

特に、

  • 建物が著しく老朽化している
  • 駅や市街地から遠い
  • 土地の形状が悪い
  • 接道条件に問題がある
  • 建物の再建築が難しい
  • 境界が不明確

といった物件は注意が必要です。

② 相続関係の整理が必要になることがある

相続した空き家を売却する場合、相続人や遺産分割の状況を確認する必要があります。

相続人が複数いる場合には、誰が不動産を取得するのかについて、相続人間で整理する必要があります。

③ 「そのまま売るか」「解体して売るか」の判断が必要

古い空き家の場合、

  • 建物付きで売却する
  • リフォームして売却する
  • 解体して更地として売却する

など、複数の方法が考えられます。

解体費用をかければ必ず売却しやすくなるとは限らないため、事前に不動産会社などへ相談することが重要です。


空き家を賃貸するメリット・デメリット

「売却するのはもったいない」

「せっかくの不動産なので、家賃収入を得たい」

という場合には、賃貸という方法があります。

賃貸のメリット

① 家賃収入を得られる可能性がある

入居者が決まれば、毎月の家賃収入を得ることができます。

空き家を売却せず、資産として活用できる点がメリットです。

② 不動産を手放さずに済む

将来的に自分や家族が利用する可能性がある場合、売却せずに保有するという選択肢があります。

③ リフォームによって活用できる可能性がある

古い住宅でも、必要な修繕やリフォームを行うことで、賃貸物件として活用できる場合があります。

ただし、リフォーム費用をかければ必ず利益が出るとは限りません。


空き家を賃貸するデメリット

① リフォーム・修繕費用が必要になる場合がある

長期間使用されていなかった空き家では、

  • 屋根
  • 外壁
  • 水回り
  • 給湯設備
  • 電気設備
  • 内装

などの修繕が必要になる場合があります。

② 入居者が見つからない可能性がある

賃貸にすれば必ず入居者が見つかるわけではありません。

周辺の家賃相場や人口動態、住宅需要などを確認する必要があります。

③ 賃貸後も管理が必要

賃貸物件にすると、所有者として、

  • 修繕対応
  • 設備交換
  • 空室対策
  • 家賃管理
  • 入居者への対応

などが必要になります。

管理会社に委託することもできますが、その場合は管理費用が発生します。

④ 将来、自分で使いたくなっても簡単に戻せない場合がある

賃貸借契約を締結すると、所有者の都合だけで簡単に退去してもらえるとは限りません。

「数年後には自分や子どもが住むかもしれない」という場合には、将来の利用予定も考えて賃貸するかどうかを判断する必要があります。


空き家を解体するメリット・デメリット

建物の老朽化が進んでいる場合には、解体も選択肢になります。

解体のメリット

① 建物の倒壊などのリスクを減らせる

老朽化した建物を解体することで、倒壊や外壁の落下など、建物に起因するリスクを減らすことができます。

② 土地として活用しやすくなる場合がある

建物を解体して更地にすることで、土地として売却したり、新たな建物を建築したりしやすくなる場合があります。

ただし、接道条件や用途地域、建築制限などによっては、解体後の土地活用が難しいケースもあります。

③ 建物の維持管理が不要になる

建物を解体すれば、屋根や外壁、室内などの建物管理は不要になります。


空き家を解体するデメリット

① 解体費用がかかる

建物を解体するには、まとまった費用が必要になる場合があります。

そのため、

土地の売却価格-解体費用

などを考慮して判断することが重要です。

② 固定資産税が上がる可能性がある

住宅が建っている土地については、一定の要件を満たす場合、住宅用地に対する固定資産税の軽減措置があります。

そのため、住宅を解体して更地にすると、土地について住宅用地特例が適用されなくなり、固定資産税が増える可能性があります。

ただし、空き家を放置して管理状態が悪化し、管理不全空家等や特定空家等に該当して市区町村から勧告を受けた場合にも、住宅用地特例の対象から除外される可能性があります。

したがって、

「固定資産税が安いから、とりあえず空き家を放置する」

という考え方はおすすめできません。

③ 更地にしても売れるとは限らない

「古い家を解体して更地にすれば、必ず売りやすくなる」というわけではありません。

土地の場所、形状、接道状況、建築条件などによっては、更地にしても売却が難しい場合があります。

解体する前に、土地としての売却可能性を確認しておくことが重要です。


売却・賃貸・解体を比較すると?

空き家の3つの選択肢を比較すると、次のようになります。

方法メリットデメリット向いているケース
売却管理から解放される・現金化できる希望価格で売れない場合がある今後使う予定がない
賃貸家賃収入が期待できる修繕・管理・空室リスクがある賃貸需要があり、保有したい
解体老朽家屋のリスクを減らせる解体費用・税負担増の可能性がある建物の活用が難しい

重要なのは、**「どれが一番いいか」ではなく、「自分の空き家にはどの方法が合っているか」**を考えることです。


空き家をどうするか判断する5つのポイント

① 建物の状態を確認する

まず、

  • 築年数
  • 雨漏り
  • シロアリ
  • 屋根・外壁
  • 水回り
  • 耐震性
  • 修繕の必要性

などを確認しましょう。

建物の状態が悪ければ、賃貸や建物付きでの売却が難しくなる可能性があります。

② 土地の条件を確認する

土地についても、

  • 接道状況
  • 道路幅員
  • 土地の形状
  • 用途地域
  • 建築制限

などを確認することが重要です。

特に、「解体したら家を建て直せる」とは限らないため、解体前に確認しておきましょう。

③ 周辺の不動産需要を確認する

賃貸する場合は、

「その地域で借りたい人がいるか」

を確認する必要があります。

売却する場合も、

「その土地・建物を購入したい人がいるか」

という視点が重要です。

④ 維持費・修繕費・解体費を比較する

空き家を所有し続ける場合には、

  • 固定資産税
  • 管理費
  • 草刈り費用
  • 修繕費
  • リフォーム費用
  • 解体費用

などを考慮しましょう。

目先の費用だけではなく、今後5年、10年と所有した場合にどれくらい費用がかかるのかを考えることも大切です。

⑤ 相続関係を整理する

相続した空き家の場合は、

  • 誰が所有者なのか
  • 相続人は誰なのか
  • 遺産分割は済んでいるのか
  • 相続登記は済んでいるのか

などを確認しましょう。

相続人が複数いる場合は、売却・賃貸・解体について相続人間で方針を共有しておくことが大切です。


まとめ|空き家は「売却・賃貸・解体」を比較して決めましょう

空き家をどうするかについて、

「売却・賃貸・解体のどれが正解」

という答えはありません。

例えば、

  • 今後利用する予定がない → 売却を検討
  • 立地が良く賃貸需要がある → 賃貸を検討
  • 建物が比較的良好 → 賃貸または建物付き売却を検討
  • 建物の老朽化が著しい → 解体して土地として売却する方法を検討
  • 遠方に住んでいて管理が難しい → 売却を優先的に検討

というように、状況によって適した方法は変わります。

特に注意したいのが、

「古いから、とりあえず解体する」

という判断です。

解体費用がかかるだけでなく、住宅用地特例の適用関係や、その後の土地活用・売却可能性についても考える必要があります。

そのため、売却・賃貸・解体のそれぞれについて、費用とメリット・デメリットを比較してから決めることが大切です。


よくある失敗・注意点

「とりあえず放置する」

空き家を放置すると、建物の劣化が進み、修繕や管理にかかる負担が増える可能性があります。

「まだ使うかもしれない」と考えている場合でも、最低限の管理を行い、将来どうするのか早めに検討しましょう。

「古いからすぐ解体する」

古い建物だからといって、すぐに解体するのはおすすめできません。

解体費用をかけても、土地が希望価格で売れるとは限らないからです。

解体前に、不動産会社などに土地・建物の売却可能性を確認しましょう。

「固定資産税が安いから空き家のままにする」

固定資産税だけを理由に空き家を放置するのは避けましょう。

空き家の管理状態が悪化して市区町村から勧告を受けた場合、住宅用地特例の対象から除外される可能性があります。

「賃貸すれば必ず儲かる」

賃貸には家賃収入がある一方、

  • リフォーム費用
  • 修繕費
  • 管理費
  • 空室リスク
  • 入居者対応

などの負担があります。

家賃収入だけで判断せず、実際の収支を計算してから決めましょう。

「相続人に相談せずに進める」

相続した空き家の場合、相続人が複数いることがあります。

売却や解体などを進める前に、相続人間で今後の方針を確認しておくことが重要です。


空き家の売却・賃貸・解体チェックリスト

【相続・所有関係】

□ 所有者を確認した
□ 相続人を確認した
□ 遺産分割の状況を確認した
□ 相続登記の状況を確認した

【建物】

□ 築年数を確認した
□ 雨漏りを確認した
□ シロアリを確認した
□ 屋根・外壁の状態を確認した
□ 水回りを確認した
□ 修繕費を見積もった

【土地】

□ 接道状況を確認した
□ 道路幅員を確認した
□ 土地の形状を確認した
□ 用途地域を確認した
□ 建築上の制限を確認した

【売却】

□ 不動産会社に査定を依頼した
□ 周辺の売却相場を確認した
□ 建物付きで売る場合の価格を確認した
□ 更地にした場合の価格を確認した
□ 売却にかかる費用を確認した

【賃貸】

□ 周辺の家賃相場を確認した
□ 賃貸需要を確認した
□ リフォーム費用を確認した
□ 管理費用を確認した
□ 空室リスクを確認した
□ 賃貸後の管理方法を決めた

【解体】

□ 解体費用を見積もった
□ 解体後の土地価格を確認した
□ 固定資産税への影響を確認した
□ 解体後の土地の利用方法を考えた
□ 利用できる補助制度がないか確認した


空き家をどうすればいいか分からない方は行政書士にご相談ください

空き家の問題は、単純に

「売るか、貸すか、壊すか」

だけで決められるものではありません。

相続関係、所有権、土地・建物の状況、今後の利用方法などを整理したうえで、それぞれの選択肢を比較することが大切です。

行政書士は、相続関係の整理や遺産分割協議書などの書類作成、行政手続きなど、空き家問題に関連するさまざまな業務をサポートできます。

ただし、不動産の売買・仲介については宅地建物取引業者、登記については司法書士、建物の調査・設計などについては建築士など、専門家によって対応できる業務が異なります。

そのため、必要に応じて不動産会社、司法書士、土地家屋調査士、建築士、解体業者などと連携しながら進めることが重要です。

「実家の空き家をどうすればいいか分からない」

「売却・賃貸・解体のどれが自分のケースに合っているのか知りたい」

「相続した空き家について、まず何から始めればいいのか分からない」

このようなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

空き家は、放置する期間が長くなるほど問題が複雑になる可能性があります。

まずは現在の状況を整理し、売却・賃貸・解体などの選択肢を比較するところから始めてみましょう。

鹿児島県鹿児島市春山町の行政書士新川憲一事務所です。
「許可が必要なのか分からない」
「自分で申請するのは難しそう」
「必要書類について相談したい」
このようなお悩みでも、お気軽にご相談ください。

鹿児島市日置市及び近隣地域で、皆様の手続きを全力でサポート致します。


初回のお問い合わせ・ご相談はLINEまたはメールでお願い致します。

ちょっとした疑問や「まず話を聞いてみたい」というご相談もお気軽にどうぞ。

お問い合わせ・ご相談には、24時間以内の返信を心がけています。

対応可能な業務か分からない場合でも、まずはお気軽にお問い合わせください。


行政書士新川憲一事務所
鹿児島県鹿児島市春山町
一つひとつの確認を丁寧に行い、迅速・正確・誠実な対応を徹底します。
「凡事徹底」の姿勢を大切にし、お客様の大切な手続きを責任を持ってサポートします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です