妻に自宅を残したい!遺言書でできること・注意点

「自分が亡くなった後も、妻には今の自宅で安心して暮らしてほしい」

このように考えている方は多いのではないでしょうか。

特に、子どもがいない夫婦の場合や、自宅が夫名義になっている場合には、**「妻に自宅を残すために何をしておけばいいのか」**を元気なうちに考えておくことが大切です。

「妻が住んでいる家だから、当然妻が相続できる」と思っていても、実際には妻以外の相続人がいる場合があります。

この記事では、妻に自宅を残したい場合に遺言書でできることや、注意しておきたいポイントについて行政書士がわかりやすく解説します。

妻に自宅を残すなら遺言書を検討しましょう

自宅を妻に残したいのであれば、遺言書を作成しておくことが有効な方法の一つです。

例えば、

「遺言者は、遺言者が所有する下記不動産を妻○○○○に相続させる。」

といった内容を遺言書に記載する方法があります。

遺言書を作成しておけば、自分が亡くなった後に「自宅を妻に残したい」という意思を明確にすることができます。

ただし、遺言書を作成すれば必ずすべての問題が解決するわけではありません。

相続人や他の財産の状況なども含めて考える必要があります。

「妻が住んでいるから妻のもの」ではありません

例えば、夫名義の一戸建て住宅に夫婦で暮らしているとします。

この場合、妻が長年住んでいたとしても、夫が亡くなった時点で自宅が当然に妻の所有になるわけではありません。

夫に子どもがいれば、妻と子どもが相続人になる可能性があります。

また、子どもがいない場合でも、夫の父母や兄弟姉妹などが相続人になることがあります。

そのため、

「妻に自宅を確実に残したい」

という希望があるのであれば、事前に相続人を確認して、遺言書について検討することが大切です。

子どもがいない夫婦は特に注意

子どもがいない夫婦では、相続について特に注意が必要です。

例えば、夫が亡くなった場合、

夫の両親が健在

相続人は、妻と夫の父母となる場合があります。

夫の両親がすでに亡くなっている

夫に兄弟姉妹がいれば、妻と夫の兄弟姉妹が相続人になる場合があります。

このような場合、遺言書がなければ、自宅を含む遺産について相続人間で遺産分割の話し合いが必要になる可能性があります。

「妻にはそのまま自宅に住んでほしい」と考えている場合には、早めの準備が重要です。

遺言書には「自宅を妻に相続させる」と明確に書く

自宅を妻に残したい場合、遺言書では誰にどの財産を取得させるのかを明確にしておくことが重要です。

例えば、

「自宅は妻にあげる」

というような曖昧な表現ではなく、不動産を特定できるように記載することが大切です。

一般的には、登記事項証明書などを確認しながら、

  • 所在
  • 地番
  • 地目
  • 地積
  • 建物の所在
  • 家屋番号
  • 種類
  • 構造
  • 床面積

などの情報を記載します。

不動産の表示を正確にすることは、相続後の手続きをスムーズにするうえでも重要です。

自宅だけでなく預貯金なども考えておく

「自宅を妻に残す」という遺言を作る場合、自宅だけを考えて終わりにしないことも重要です。

例えば、

  • 自宅
  • 預貯金
  • 自動車
  • 株式などの有価証券
  • その他の財産

があるとします。

自宅だけを妻に相続させ、その他の財産について何も決めていないと、残った財産について相続人間で話し合いが必要になる場合があります。

そのため、遺言書を作成するときには、財産全体を確認して、誰に何を残したいのかを整理することがおすすめです。

「自宅は妻、預貯金は子ども」という分け方もできる

遺言書では、財産ごとに誰に相続させるのかを決めることもできます。

例えば、

  • 自宅 → 妻
  • 預貯金 → 長男
  • その他の財産 → 次男

というような内容です。

ただし、財産の価値に大きな差がある場合には、相続人間で不公平感が生じる可能性があります。

そのため、単純に財産を割り振るだけではなく、相続人それぞれの事情や遺留分なども考慮して遺言内容を検討することが大切です。

遺留分にも注意

遺言書を作成する際に注意したいのが「遺留分」です。

遺留分とは、一定の相続人に法律上保障されている最低限の遺産の取り分です。

例えば、子どもがいる場合に、

「全財産を妻に相続させる」

という遺言を作成したとしても、一定の条件のもとで子どもから遺留分を請求される可能性があります。

そのため、妻に自宅を残したい場合には、自宅以外の財産も含めて全体的に遺言内容を考えることが重要です。

なお、兄弟姉妹には遺留分はありません。

妻に自宅を残す方法は遺言だけではない

妻に自宅を残す方法を考える際には、遺言だけでなく「配偶者居住権」についても知っておくとよいでしょう。

配偶者居住権は、一定の要件を満たす場合に、亡くなった方の配偶者がその建物に住み続けることができる制度です。

例えば、自宅の所有権を別の相続人が取得し、妻には配偶者居住権を取得させるといった方法が考えられるケースがあります。

ただし、配偶者居住権はすべてのケースで必要になるわけではありません。

「妻に自宅の所有権を残したい」のか、

「妻が自宅に住み続けられればよい」のか、

によって検討する内容が変わります。

2020年から配偶者居住権が始まっています

配偶者居住権は、残された配偶者の生活を守るための制度として設けられました。

例えば、自宅の所有権を取得すると他の財産を十分に取得できなくなるようなケースでは、配偶者居住権を利用することで、居住する権利とその他の財産の取得を分けて考えられる場合があります。

ただし、配偶者居住権には成立要件や登記などの問題があるため、利用を検討する場合は司法書士などの専門家への相談もおすすめします。

公正証書遺言も選択肢

遺言書にはいくつかの方式があります。

代表的なものが、

  • 自筆証書遺言
  • 公正証書遺言

です。

自筆証書遺言は、自分で作成できるというメリットがあります。

一方、公正証書遺言は公証人が関与して作成するため、遺言の内容や方式について確認しながら作成できます。

特に、

「自宅を妻に確実に残したい」

「財産が複数ある」

「相続人が複数いる」

「相続後の手続きをできるだけスムーズにしたい」

という場合には、公正証書遺言も選択肢の一つです。

遺言書は元気なうちに作る

遺言書は、亡くなってから作成することはできません。

また、病気などによって判断能力が低下してからでは、遺言書の作成について問題が生じる可能性があります。

「まだ元気だから必要ない」と思っていると、突然の病気や事故などで準備できなくなる可能性もあります。

自宅など大切な財産を妻に残したいという希望があるなら、元気なうちに準備しておくことが大切です。

鹿児島県で妻に自宅を残すための遺言書をお考えの方へ

「妻には今の家に安心して住み続けてほしい」

「子どもがいないので、妻にできるだけ財産を残したい」

「自宅を妻に相続させる遺言書を作りたい」

このような場合には、まず現在の財産と相続人を整理することから始めましょう。

行政書士は、遺言書作成に関する相談や、相続人・財産関係の整理、遺言書作成のサポートなどを行うことができます。

なお、相続登記については司法書士、相続人間に争いがある場合の交渉や調停などについては弁護士など、必要に応じて他の専門家と連携して対応することが重要です。

鹿児島県で遺言書や相続についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

鹿児島県鹿児島市春山町の行政書士新川憲一事務所です。
「許可が必要なのか分からない」
「自分で申請するのは難しそう」
「必要書類について相談したい」
このようなお悩みでも、お気軽にご相談ください。

鹿児島市日置市及び近隣地域で、皆様の手続きを全力でサポート致します。


初回のお問い合わせ・ご相談はLINEまたはメールでお願い致します。

ちょっとした疑問や「まず話を聞いてみたい」というご相談もお気軽にどうぞ。

お問い合わせ・ご相談には、24時間以内の返信を心がけています。

対応可能な業務か分からない場合でも、まずはお気軽にお問い合わせください。


行政書士新川憲一事務所
鹿児島県鹿児島市春山町
一つひとつの確認を丁寧に行い、迅速・正確・誠実な対応を徹底します。
「凡事徹底」の姿勢を大切にし、お客様の大切な手続きを責任を持ってサポートします。

まとめ

妻に自宅を残したい場合、「妻が住んでいるから大丈夫」と考えるのではなく、元気なうちに遺言書などの準備をしておくことが大切です。

特に子どもがいない夫婦の場合、妻以外の親族が相続人になる可能性があるため、注意が必要です。

遺言書を作成する際には、

  • 相続人を確認する
  • 自宅の登記情報を確認する
  • 自宅以外の財産も整理する
  • 遺留分を考慮する
  • 自筆証書遺言か公正証書遺言か検討する
  • 必要に応じて専門家に相談する

といった点を確認しましょう。

「自分が亡くなった後も、妻には安心して自宅で暮らしてほしい」

そう考えているなら、遺言書はその思いを具体的な形にするための大切な方法の一つです。

一問一答

第1問:妻が住んでいる夫名義の自宅は、夫が亡くなれば自動的に妻の所有になる。

答え:×

妻以外にも相続人がいる場合、自宅も相続財産となります。妻が当然に所有者になるわけではありません。

第2問:子どもがいない夫婦でも、配偶者以外の人が相続人になる場合がある。

答え:○

亡くなった方の父母や兄弟姉妹などが相続人になる場合があります。

第3問:「自宅を妻に相続させる」という内容の遺言書を作成することができる。

答え:○

遺言によって、特定の財産を特定の相続人に相続させる意思を示すことができます。

第4問:遺言書を作れば、どのような場合でも他の相続人から遺留分を請求されることはない。

答え:×

一定の相続人には遺留分が認められています。遺言書を作成する場合も、遺留分を考慮することが重要です。

第5問:兄弟姉妹には遺留分がある。

答え:×

兄弟姉妹には遺留分は認められていません。

第6問:妻に自宅を残したい場合、自宅だけでなく預貯金など他の財産についても検討した方がよい。

答え:○

自宅以外の財産について何も決めていないと、残った財産について相続人間で話し合いが必要になる場合があります。

第7問:配偶者居住権は、一定の要件を満たす場合に、亡くなった方の配偶者が自宅に住み続けることができる制度である。

答え:○

配偶者居住権は、残された配偶者の居住を保護するための制度です。

第8問:妻に自宅を残したい場合は、元気なうちに遺言書について検討することが大切である。

答え:○

遺言書は本人が意思能力を有する状態で作成する必要があるため、早めに準備することが重要です。

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