産業廃棄物収集運搬業許可の申請手続き|新規申請の流れを7ステップで解説
「産業廃棄物を運ぶ仕事を始めたいけれど、どのように許可を取ればいいの?」
建設業や解体業、運送業などを営んでいる事業者の方から、このようなご相談をいただくことがあります。
産業廃棄物を排出事業者から処分業者まで収集・運搬する場合、原則として都道府県知事等の許可が必要です。
特に新規申請では、申請書を作成するだけではなく、講習会の修了、運搬車両の準備、事業計画の作成、財務状況の確認など、事前に準備しておくことがいくつかあります。
鹿児島県では、令和7年3月18日改訂の「産業廃棄物処理業に係る許可申請・届出の手引き」が公開されており、申請様式や添付書類について詳しく定められています。(鹿児島県公式サイト)
この記事では、産業廃棄物収集運搬業許可の新規申請について、7つのステップに分けてわかりやすく解説します。
産業廃棄物収集運搬業許可とは?
産業廃棄物収集運搬業許可とは、他人から委託を受けて産業廃棄物を収集し、処分施設などへ運搬する事業を行うために必要な許可です。
例えば、建設会社から依頼を受けて、
建設現場 → 産業廃棄物処分業者
という形で産業廃棄物を運搬する場合などが該当します。
自社で排出した産業廃棄物を自社で運搬する場合とは扱いが異なるため、まず「誰の産業廃棄物を運ぶのか」を確認することが重要です。
また、産業廃棄物収集運搬業許可と、特別管理産業廃棄物収集運搬業許可は別の許可です。
新規申請の流れ7ステップ
産業廃棄物収集運搬業許可の新規申請は、概ね次の流れで進めます。
- 許可が必要か・申請先を確認する
- 取り扱う産業廃棄物の種類を決める
- 講習会を受講する
- 欠格要件・財務状況などの要件を確認する
- 車両・車庫・運搬容器などを準備する
- 申請書・添付書類を作成して申請する
- 審査・補正を経て許可証を受け取る
それぞれ詳しく見ていきましょう。
STEP1 許可が必要か・申請先を確認する
まず、自分の事業が産業廃棄物収集運搬業の許可を必要とするのかを確認します。
特に重要なのが、
「誰が排出した産業廃棄物を運搬するのか」
という点です。
他人から委託を受けて産業廃棄物を収集・運搬するのであれば、原則として収集運搬業の許可が必要になります。
鹿児島県で申請する場合
鹿児島県では、収集運搬業の申請について、申請者の主たる事務所・事業場の所在地などによって提出先が異なります。
鹿児島県の手引きでは、収集運搬業の場合、申請者の主たる事務所または事業場の所在地を管轄する地域振興局・支庁が受付窓口となる一方、鹿児島市内など一定の場合は県庁の廃棄物・リサイクル対策課が窓口となります。(鹿児島県公式サイト)
また、積替え保管を行う場合などは、通常の収集運搬だけの場合と申請・協議が異なることがあります。
そのため、申請前に「どこで収集し、どこへ運び、どこで積替え・保管するのか」を整理しておきましょう。
STEP2 取り扱う産業廃棄物の種類を決める
次に、どの種類の産業廃棄物を運搬するのかを決めます。
産業廃棄物には、
- 燃え殻
- 汚泥
- 廃油
- 廃酸
- 廃アルカリ
- 廃プラスチック類
- 紙くず
- 木くず
- 繊維くず
- 動植物性残さ
- ゴムくず
- 金属くず
- ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず
- 鉱さい
- がれき類
- ばいじん
などがあります。
建設業者から仕事を受ける場合には、建設現場から排出される廃プラスチック類、木くず、金属くず、がれき類などを扱うケースがあります。
ただし、「何でも運べる許可」ではありません。
申請した品目以外の産業廃棄物を運搬する場合には、別途対応が必要になることがあります。
そのため、
「将来的にどんな廃棄物を運搬する可能性があるのか」
まで考えて、許可品目を検討することが重要です。
STEP3 講習会を受講する
新規申請では、講習会の修了証が重要な添付書類になります。
鹿児島県の手引きでは、産業廃棄物収集運搬業の新規申請について、原則として産業廃棄物収集運搬業の新規講習会の修了証が必要とされています。(鹿児島県公式サイト)
講習会では、廃棄物処理法や産業廃棄物の適正処理、収集運搬業を行うために必要な知識などを学びます。
ここが新規申請の注意点
講習会は、申請直前に慌てて受講しようとすると、申請スケジュールに影響する可能性があります。
そのため、
許可申請を考えたら、早めに講習会の日程を確認する
ことをおすすめします。
STEP4 欠格要件・財務状況などの要件を確認する
次に、申請者が許可を受けるための要件を満たしているか確認します。
産業廃棄物収集運搬業許可では、例えば次のような点が確認されます。
① 欠格要件に該当していないか
廃棄物処理法では、一定の欠格要件が定められています。
申請者本人だけでなく、法人の場合には役員等についても確認が必要になる場合があります。
そのため、
- 役員
- 株主・出資者
- 政令使用人
などについて必要な確認を行います。
② 経理的基礎があるか
産業廃棄物収集運搬業を継続して行えるだけの経理的基礎があるかも重要です。
法人の場合には、決算書などを確認しながら、財務状況を確認していきます。
財務内容によっては追加資料などが必要になるケースもあるため、申請前に確認しておくことが大切です。
STEP5 車両・車庫・運搬容器などを準備する
産業廃棄物を運搬するためには、実際に使用する車両などについても準備が必要です。
鹿児島県の申請手引きでは、新規申請について、
- 事務所の位置図
- 事業場・車庫の位置図
- 車庫の見取図
- 車両等の写真
- 車検証等の写し
- 車両使用承諾書等
などが必要になる場合があります。(鹿児島県公式サイト)
車両は何でもいい?
単にトラックを所有していればよいというわけではありません。
運搬する産業廃棄物の種類や性状に応じて、
飛散・流出・悪臭などを防止できる運搬方法
を検討する必要があります。
例えば、廃棄物の種類によっては、
- ダンプ
- コンテナ
- キャブオーバ
- バン
- 密閉容器
など、適切な車両・容器を検討します。
また、車両をリースしている場合などは、使用権原を証明する書類が必要になることがあります。
STEP6 申請書・添付書類を作成して申請する
必要な準備が整ったら、申請書を作成します。
鹿児島県の手引きでは、新規申請について、許可申請書のほか、
- 事業計画の概要
- 運搬車両等に関する書類
- 車庫等の位置図・見取図
- 車両の写真
- 車検証等の写し
- 講習会修了証
- 財務関係書類
- 欠格要件に関する書類
など、申請者の状況に応じて多くの書類を提出することになります。(鹿児島県公式サイト)
特に注意したいのが、申請書と添付書類の内容に矛盾がないかです。
例えば、
- 申請書の車両情報
- 車検証の情報
- 車両写真
- 事業計画
- 運搬する廃棄物の種類
などが一致しているか確認しましょう。
書類に不備があると補正が必要になり、許可取得までの期間が延びる可能性があります。
STEP7 審査・補正を経て許可証を受け取る
申請書を提出すると、行政庁による審査が行われます。
審査の過程で書類の補正や追加資料の提出を求められることがあります。
補正が必要になった場合は、担当窓口の指示に従って対応します。
そして審査を無事に終えると、産業廃棄物収集運搬業許可証が交付されます。
許可証が交付された後は、許可された範囲内で産業廃棄物収集運搬業を行うことができます。
新規申請で特に注意したい5つのポイント
ここまでの流れを踏まえて、申請前に確認しておきたいポイントを整理します。
① 先に「運ぶ廃棄物」を決める
「とりあえず産廃の許可を取る」のではなく、実際の仕事を想定して許可品目を検討しましょう。
② 講習会を早めに確認する
講習会の受講時期によっては申請スケジュールに影響します。
新規申請を予定しているなら、早めに確認することが重要です。
③ 車両・車庫を先に確認する
申請書を作り始めてから車両の使用権原などに問題が見つかると、手戻りが発生します。
車両を購入する場合だけでなく、リース車両や他社所有車両を使用する場合も確認しておきましょう。
④ 収集先と運搬先を明確にする
産業廃棄物収集運搬業では、
「どこから、何を収集して、どこへ運ぶのか」
という事業計画が重要です。
鹿児島県の手引きでも、事業計画の概要を記載した書類の提出が求められています。(鹿児島県公式サイト)
⑤ 鹿児島市をまたぐ場合などは申請先を確認する
鹿児島県内で営業する場合でも、鹿児島市と鹿児島県では扱いが異なるケースがあります。
特に、
- 鹿児島市内で積替え保管を行う
- 鹿児島市内に関係する事業を行う
- 県外の処分業者へ運搬する
などの場合は、事前に申請先や必要な許可を確認しておきましょう。
まとめ|産業廃棄物収集運搬業許可は事前準備が重要
産業廃棄物収集運搬業許可の新規申請は、単純に申請書を書いて提出すれば終わる手続きではありません。
今回紹介した流れをまとめると、
STEP1 許可・申請先を確認
↓
STEP2 取り扱う産業廃棄物を決める
↓
STEP3 講習会を受講
↓
STEP4 欠格要件・財務状況等を確認
↓
STEP5 車両・車庫等を準備
↓
STEP6 申請書・添付書類を作成
↓
STEP7 申請・審査・許可証交付
という流れになります。
特に新規申請では、講習会、車両、車庫、事業計画、財務状況、申請先を早めに確認することがポイントです。
鹿児島県では、申請手続きや添付書類について「許可申請・届出の手引き」が公開されています。申請前には最新の手引き・様式を確認するようにしましょう。(鹿児島県公式サイト)
産業廃棄物収集運搬業許可|一問一答
Q1.産業廃棄物を運ぶには必ず許可が必要ですか?
A.他人から委託を受けて産業廃棄物を収集・運搬する場合は、原則として許可が必要です。自社で排出した廃棄物を自社で運搬する場合とは扱いが異なります。
Q2.産業廃棄物収集運搬業許可があれば何でも運べますか?
A.いいえ。許可された産業廃棄物の種類などの範囲内で業務を行う必要があります。
Q3.新規申請では講習会を受ける必要がありますか?
A.原則として必要です。鹿児島県の手引きでは、産業廃棄物収集運搬業の新規申請について、新規講習会の修了証が必要とされています。(鹿児島県公式サイト)
Q4.車両は自分で所有していなければいけませんか?
A.必ずしも所有車両でなければならないとは限りません。リースなどの場合は、使用権原を証明する書類が必要になることがあります。
Q5.車庫も必要ですか?
A.申請では事業場・車庫の位置図や車庫の見取図などが必要になります。鹿児島県では車庫の利用状況が分かる資料を準備することになります。(鹿児島県公式サイト)
Q6.個人事業主でも許可を取得できますか?
A.はい。個人事業主でも要件を満たせば産業廃棄物収集運搬業許可を取得できます。
Q7.法人を設立したばかりでも申請できますか?
A.可能ですが、財務状況などについて確認が必要になります。会社の状況によっては追加資料等が必要となる場合があります。
Q8.鹿児島県内ならどこに申請すればいいですか?
A.申請者の主たる事務所・事業場の所在地などによって提出先が異なります。鹿児島県では地域振興局・支庁等が窓口となる場合がありますので、申請前に確認しましょう。(鹿児島県公式サイト)
Q9.鹿児島市でも鹿児島県の許可だけで大丈夫ですか?
A.ケースによって異なります。特に鹿児島市内で積替え保管を行う場合などは、鹿児島市との関係を確認する必要があります。
Q10.行政書士に依頼するメリットは何ですか?
A.申請先の確認、許可要件の確認、講習会・車両関係の確認、事業計画の作成、申請書・添付書類の作成などをまとめてサポートしてもらえる点がメリットです。
鹿児島県で産業廃棄物収集運搬業許可をお考えの事業者様へ
「自分の会社は許可が必要なのか分からない」
「どの品目を申請すればいいのか分からない」
「車両や車庫の書類をどう準備すればいいのか分からない」
このような場合は、まず現在の事業内容と、今後運搬したい産業廃棄物の種類を整理するところから始めましょう。
産業廃棄物収集運搬業許可は、申請書を作成する前の事前確認が非常に重要な許可申請です。
鹿児島県で許可取得を検討されている方は、最新の県の手引きを確認したうえで、余裕を持って準備を進めることをおすすめします。
鹿児島県鹿児島市春山町の行政書士新川憲一事務所です。
「許可が必要なのか分からない」
「自分で申請するのは難しそう」
「必要書類について相談したい」
このようなお悩みでも、お気軽にご相談ください。
鹿児島市日置市及び近隣地域で、皆様の手続きを全力でサポート致します。
初回のお問い合わせ・ご相談はLINEまたはメールでお願い致します。
ちょっとした疑問や「まず話を聞いてみたい」というご相談もお気軽にどうぞ。
お問い合わせ・ご相談には、24時間以内の返信を心がけています。
対応可能な業務か分からない場合でも、まずはお気軽にお問い合わせください。
行政書士新川憲一事務所
鹿児島県鹿児島市春山町
一つひとつの確認を丁寧に行い、迅速・正確・誠実な対応を徹底します。
「凡事徹底」の姿勢を大切にし、お客様の大切な手続きを責任を持ってサポートします。

